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2011年4月30日 (土)

■vol.2 『「キャラクター」「ストーリー」「設定」の関係性』

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◇「キャラ」「ストーリー」「設定」一番大切なのは?

面白い物語に必要な3つの要素である「キャラクター」「ストーリー」「設定・仕掛け・世界観」これはどれも大切な要素です。

しかしこの中で一番大切なものと言ったら何なのでしょうか? この3つの要素はどういう関係にあるのでしょうか?

◇最も大切なもの……それは「キャラクター」!

 じつは,この中で,つまり面白い物語をつくる上で一番大切なのは,

キャラクターです。

 では,なぜキャラクターが一番大事なのでしょうか。
どうしてストーリーや設定よりもキャラクターの方が重要なのでしょうか。

 

なぜ「キャラクター」が一番大事なのか

 お客さんとキャラクターには,次のような不思議な関係性があります。これらがキャラクターが最も大切だという理由なのです。

 

≪お客さんとキャラクターの関係≫

1.お客さんはキャラクターを好きになる
お客さんは,ストーリーを好きになるのでも,設定や仕掛けを好きになるのでもありません。お客さんはキャラクターを好きになります。
お 客さんは,物語の中で人間,つまりキャラクターにしか興味がありません。どんなやつが出てきて,どんなことを考え,どんなことをして,その結果そのキャラ はどうなっちゃうのか。お客さんは,お話の中でキャラクターがどうなっていくかにしか興味を抱かないのです。だから,お客さんはキャラクターの生き様に目 を向け,にキャラクターを好きになり,キャラクターに憧れるのです。

2.お客さんは,キャラクターに感情移入する(キャラクターになりきる)
キャラクターは,お客さんが感情移入する対象です。お客さんはキャラクターになりきって,自分がそのキャラとして物語をそのキャラクターの体を借りて疑似体験していくのです。

3.キャラクターは,お客さんの持っている願いをかなえてくれる
キャラクターはお客さんの持っている願いを,お客さんの代わ りにかなえてくれます。お客さんに代わってかわいい女の子と恋愛し,強いヤツを倒し,大金持ちになり,悪い奴らを懲らしめ,ビジネスで成功し,世界をまた にかけて大冒険するのです。キャラクターはお客さんに代わって,お客さんの持つ不満を解消し,できないと思っていることを成し遂げてくれるのです。  
そのときにお客さんは心の中でこう言うのです。「よくぞ,やってくれた!」と。

4.お客さんは,キャラクターと一体になる
お客さんはキャラクターに自分との一体感,つながりを求めようとします。キャラク ターに自分を投影し、自分と似ているところ、同じところを探します。キャラクターの置かれている状況を見て「あ、わかるわかる」「自分もそうだ」と共感を 求め,感じます。お客さんはキャラクターと気持ち,願望,志を共有しようとするのです。

以上のように,物語の中ではお客さんとキャラクターの間にはこのような機能が働きます。
お客さんは知らず知らずのうちにキャラクターと一体になっていくのです。その結果,お客さんはキャラクターから目が離せなくなり,キャラクターの動向に一喜一憂するのです。

だから,キャラクターが一番大事なのです。

『物語とは,キャラクター(人間)を描くもの』なのです。

 

では,ストーリーとは何か?

ストーリーとは,何らかの事件が起き,その時にキャラクターがどんな状況に置かれ,どう感じ,どう思い,どう選択してどう行動したか,その結果どうなったかという,事件に対してのキャラクターがとった思考・行動,その結末を描いたものです。

 

設定とは何か?

設定・世界観・仕掛けとは,キャラクターがどういう人物で,どういう特技があるか,どういう世界で,どういう状況で,どう暮らしているかをあらわしたキャラクターについての説明であり,キャラクターを魅力的に見せる装飾なのです。


◇すべては“キャラクター”のためにある!

キャラクターはストーリーを進めるための駒ではなく,キャラクターを描くためにストーリーという道具を使うのです。
設定・仕掛けを実現するためにキャラクターがいるのではなく,キャラクターの性格や特性を具現化するために設定や仕掛けがあるのです。

 

◇キャラクターがいないと「物語」にならない!

さまざまな媒体で発揮されるキャラクターの力

物語にぜったいに必要なものはストーリーではなくキャラクターです。ストーリーがなくてもキャラクターがいれば物語はできますが、ストーリーがあっ てもキャラクター(人物)がいなければ物語はできあがりません。なぜなら物語はキャラクターの心情・行動とその結果を描いたものだからです。物語は「描く 対象となるキャラクター(人物)」がいて、はじめて物語になります。「物語とは人物に焦点を当てたもの」なのです。
もしキャラクターがいない作品 があるとすれば、それは単なる「説明文」ということになります。法律の条文や機械などの取扱説明書、資格取得の解説書などを読んでいても、物語としての面 白さはまったくありません。また、まったく萌えません。なぜかというとキャラクターがいないからです。キャラクターがいないものは物語ではなく、ただの 「説明」なのです。
しかし、もし説明書や解説書にキャラクターが登場したらどうでしょうか。それが今ブームとなっている「萌える~」のシリーズで す。萌える英単語とか、萌える法律読本とか、単なる説明、解説のテキストにキャラクターを登場させることによって、キャラクターの持つ力を勉強に活かして 効率を上げることができるのです。読者は登場するキャラクターに感情移入し、一種の物語としてキャラクターと一緒に勉強を「体験」します。キャラクターが いることによって難解な説明や解説を物語としてとらえ、これによって難しい内容もとっつきがよくなり、意欲が増し、勉強自体も楽しくなってくる効果が生ま れます。これがキャラクターの力なのです。
なぜ歴史の勉強の時はなかなか覚えられないのに、マンガやゲーム、小説などで歴史モノを読むとすぐに頭 に入ってくるのかというと、歴史に出てくるの人物たちを「キャラクター」として捉えているからなのです。そして、キャラクターとしてその人物たちに感情移 入することによってその人物が住んでいた時代背景、成し遂げた行動、年代などが自然と頭に入っていきやすくなるのです。
TVのCMなどの広告業界 でもキャラクターの力を使って商品を宣伝しています。単なる商品の説明ではなく、キャラクター(人物)を登場させることにより、視聴者が人物に感情移入し 商品を使ってみたいと思いやすくなります。また、その商品やサービス、企業を象徴するような人物を登場させることにより、視聴者に良いイメージを与え、親 近感をもたらし、一体感も植えつけることができます。イメージキャラクターとして様々なタレントを起用するのも、そのタレントの持つキャラクター性やイ メージを商品や会社の宣伝に利用していきたいという戦略があるからなのです。


では,本講の最後に演習をやってみましょう。

演習

自分の好きな物語作品(マンガ,アニメ,小説,映画,ドラマ等)を一つ選び,「キャラクター」がお客さんにもたらす語上の機能に焦点を当てながら読んでみましょう。また「ストーリー」「設定」「キャラクター」の関係性を

参考:序章 面白い物語をつくろう! の記事

■vol.1 面白い物語をつくるために必要なもの

■vol.2 「キャラクター」「ストーリー」「設定」の関係性

■vol.3 面白い物語をつくる方法

■vol.4 あなたはどんな作品をつくりたいのか?

 

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