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2011年5月25日 (水)

■vol.17 キャラクターは反対の性格を持つキャラ同士の、「ペア」か「3人組」でつくろう!

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◇キャラクターは「一人では立たない」

   

■ 違う者同士が関わり合うからこそドラマが生まれる

エンタメ系の物語で、一人しかキャラクターが出てこないというケースはほとんどありません。ほとんどの物語は2人以上の複数のキャラクターが登場します。なぜなら、ドラマとは人間同士のものだからです。異なる二人(以上)の人間同士が関わっていくからドラマが生じます。性格も考え方も違う二人が関わりあっていくからこそ、面白くなるのです。

   

◇キャラ魅力は対になるキャラとの「対比」「比較」「接点」「対立」でつくる!

   
 キャラクターを魅力的に描くには「性格・性質の異なる別のキャラクター」が必要

 エンタメ系物語の主要命題は「キャラクターを魅力的に見せること、描くこと」です。で、キャラクターを立て、存在感を出し、印象を深め、魅力的に描こうとする場合、物語にそのキャラ一人だけしか登場しない場合、キャラクターを魅力的描いていくことはできません。なぜかというと、キャラクターは他のキャラクターとの「違い(差異)」を描いて、その違いを「比較・対照」することで魅力的になるからです。
 例えば、「頭がいい」キャラクターを描く場合は、一緒に「頭がそんなに良くないキャラクター」を描いてやり、その二人の反対の性質を「対比」させて見せていくことで頭がいいキャラクターがいかに頭がいいかを描いていくことができます。
 対比させる場合は、対になるキャラ同士の考え方や価値観を異なるものにして必ず「対立」する要素を持たせるようにしましょう。と同時に、キャラ同士の「接点」や関り合いも描いていきましょう。こうすることでキャラ同士が自然に接し合う状況が生まれ、またキャラ同士の違い・特徴・独自性を明確にしていくことができます。だから、キャラクターを魅力的に描くには性格・性質の違う反対要素を持つ他キャラクターが必要になるのです。

    

◇キャラクターは、反対の性格・性質を持つ「ペア」か「3人組」でつくろう!

    

メインキャラクターをつくる基本単位①「ペア」

 主要なメインキャラクターをつくる上でのひとつの単位は「ペア(二人組)」です。性格や性質が反対(逆)の者同士を二人一組のセットでつくっていきます。反対の性格を持つ二人を組ませれば、その二人の「違い」が対比となって、お互いがお互いを引き立て合う関係になります。こうなれば片方を描くだけで対になっているもう片方も描けてしまいます。一粒で二度おいしい、これがペアの対比関係の利点です。
 主人公と副主人公、主人公とヒロイン、主人公とライバルなど、メインキャラクターの人数が二人の場合はそれぞれに「反対の性格・性質」を持たせてペアでつくりましょう。

   

メインキャラクターをつくる基本単位②「3人組」

 メインキャラクター作成のもう一つの単位は「3人組」です。性格や性質の異なる3人のキャラクターを一つのセットとして考えていくやり方です。
 その一番明確な例が「3つの気質(明るい/普通/暗い)」です。三人にそれぞれ全く別の性格要素を付けていくことで、互いが互いを引き立て合う対比関係になります。

   

■ 「マジック3」キャラの設定要素の違いは「三段階」までしかない!

 キャラクターの性格や性質の設定要素はいろいろありますが、その全てに共通していえることは、その要素の度合いは「三段階」しかないということです。つまり、一つの要素は3人までしか描き分けられないということです。これは『美少女ゲームシナリオバイブル』の中で著者の鏡裕之氏が述べている「マジック3」という法則です。以下は鏡氏が著書の中で示している例です。
(以下太字部分『美少女ゲームシナリオバイブル』P68引用)
   
年上/同い年/年下
    
積極的/普通/消極的

 このようにキャラクターの設定要素は三段階まででしか割り振ることができません。ですから、3人組までなら三段階を各キャラに一つずつ当てはめていけば、要素が重なることなくそれぞれ違う性質を持った3人をつくることができます。もし4人以上のキャラを作らなければならないとなると、一人はどこかの要素が重なります。その場合は、それ以外の要素で重なったキャラクターとの差異をつけるようにしていって下さい。

    

◇反対の要素を持つキャラクター同士を「対立」させることで、キャラクターは活き活きしてくる!

   

「対立」させればキャラクターの特徴が際立ってくる

 キャラクターは、対となるキャラクター間で「対立要素」をつくっていきましょう。
各キャラクターの対立を活かしたドラマをつくることは、物語作りにおいてとても有効です。「対立の要素」を描くことで、キャラクターが引き立ち、活き活きしてくるからです。対立させることでキャラクターの性格、性質、特徴、考え方や目標、願望などがより鮮明になってきます。対立し、主張する事で、また、その対立の最中にあるキャラクター同士のリアクションや思考・感情を描く事で、キャラクターの人間像・人間関係がよりリアルなものになります。
 このように、対立をつくると個々のキャラクターの違いが浮き彫りにされ、各キャラの独自性が強調されていきます。

   

■ 様々な「対立の要素」がある

 対立といっても、なにもケンカをさせるという事ではありません。考え方などでもキャラクター同士で違いがあります。「意見の対立」です。「価値観の対立」もあります。方法論、仕事の進め方、好き嫌いなどの対立もあるでしょう。また、「善と悪」の対立というのはもちろんありますが、「善と善」の対立なんていうこともあります。これはお互いに信じる「善」が違うために起こります。
同じ目標を持たせることで対立が生まれることもあります。同じ女性を好きになってしまうとか、レースで1番を目指すとか。価値観や目標が同じであるがゆえに生まれる対立もあるのです。

   

 対立によって物語が転がり出す!

 対立から、物語が転がり出していきます。対立は物語の展開の原動力であるといえます。物語を膨らませ盛り上げていくには、この「キャラクター同士の様々な対立を描けばいい」のです。
 対立の度合いも様々に描けます。深刻な対立、修復不可能な対立から、軽い、ほんのささいな対立まで、その度合い・規模・種類は様々です。仲の良い夫婦にさえ、意見の違いはあるのです。当然です。お互い20年30年と別の家で暮らしてきた人間が一緒になるのですから、生活していく中でいろいろな違いがあるのは当たり前です。その対立をどう解消していくか、お互いの価値観をどう認め合って、一致していくかというところにドラマがあるのです。育児に関しても、これは二人ともまったく人生で初めての経験です。しかも大変難しい。怪我も病気もするし、育児の方法によって互いの両親と対立するなんていう場面もあります。一緒に悩み、考え、最善と思われる結論を夫婦二人で導き出していくときに、夫婦の絆が強まっていくというドラマが生まれるのではないでしょうか。

   

 キャラクターの考え方や価値観を「同じにしない」

 対立を描く上で大事な事はキャラクターの考え方や価値観を「同じにしない」ということです。たとえば、主人公と副主人公などのようにペアでキャラクターをつくる際はとくに、キャラクターの考え方や価値観、反応、意見をちがうものにしていかなければいけません。前述しましたが、名探偵ホームズとワトソンでもやはり対立というか差異があります。同じ犯行現場を見て、ワトソンが何も感じない事柄にホームズは反応し、そこから事件解決の糸口を見つけていくという感じです。ワトソンとの差異・対立がなければホームズの有能性を描く事はできないのです。
 ダウンタウンの漫才やフリートークなどもそうです。視聴者から寄せられた質問に対してまず浜ちゃんが一定の常識に基づいた答えを出します。その後に松っちゃんが「それは違う」といって相反する答えを出していくのです。その珍回答の面白さがダウンタウンのフリートークのウリです。しかし、浜ちゃんの答えに、松っちゃん「そうだよね」と同意してしまったら、そこで話は続かなくなってしまい、終了になってしまいます。物語を膨らませ、キャラクターを活き活きと描写するには、この「対立」の要素を組み込んでいきましょう。

   

◇キャラクターの役柄・役割を活かしてキャラを立てる

   

キャラクターには物語の中で役割(機能)がある!

さて、キャラクターには作中での「役割」というものがあります。その役割とは「主人公を引き立てるの機能」のことです。物語の最大の目的は主人公のキャラクターの魅力を描くことです。だから主人公以外のキャラクターは「主人公を引き立てるために」存在していなければいけません。それゆえ、主人公より目立ってはいけません。ただし間違えてはいけないのは、他のキャラクターを魅力的に描かないということではありません。(……また例外的に脇役が偶然目立って人気が出たり、作者が主人公よりも脇キャラの方を描くのが面白くなってしまったり、作品によっては途中で主人公が変わってしまうことさえ起こります)
キャラクターを作る際は、まず主人公を引き立てるために「役割(機能)」を考えて作っていきましょう。

《キャラクターの役割》

 ①主人公(男主人公、女主人公、物語の主題を実行し、問題を解決するもの)
 ②副主人公(主人公の相手役)
 ③ヒロイン
 ④ライバル
 ⑤対立するキャラ(主人公を目の敵にしている等)
 ⑥主人公を引き立てるキャラ
 ⑦ひっかきまわすキャラ
 ⑧説明キャラ(解説するキャラ)
 ⑨端役(その他大勢)
 ⑩道化キャラ(ギャグメーカー、コミックリリーフ)
 ⑪語り手、狂言回し(お客さんに語りかけ、物語を進行させる役柄)

……などなど。

☆場合によっては1つのキャラが複数の役目を持つこともあります。

    

◇キャラクターを「関わり合わせ」よう!

   

人間は一人ひとり違う者同士が関わり合って生きている

 私たちの日常には多くの「他者」が存在し、好むと好まざるとその多くの他者の中で生活しています。人間が一人ではなく、多くの他者と接点を持ち関わり合いながら暮らしているのと同じように、キャラクターもまた、他のキャラクターと係わり合い、影響を受け合いながら物語が進行していきます。例外もありますが、物語には通常、多くの人物が登場し、また相互に干渉・関与していきます。そのような中で複数のキャラクターを描くときに大切なことは何でしょうか。
 私たち人間が、多くの他者と共生していく時に最も大切なことは「一人ひとりが違う」ということです。好みも違えば価値観も違う、能力も違えば考え方も違う、生活環境も、人生経験も、年齢も性別も外見も背の高さも違う、誰が優れているとかではなく、個人個人で「違い」があるのが人間なのです。「違い」は「違い」であって「間違い」ではありません。一人ひとりに別々の良いところがあり、また別々の弱点や欠点もあり、様々な独自の個性があります。我々は、互いが互いの足らないところを補完しあいながら助け合って生活しています。他者との違いを認め合うときに、良好な人間関係が結ばれ、新たな発見を経験し、互いに成長し合っていくのです。
 コレ、じつはキャラクターもまったく同じなのです。個々のキャラクター同士の「違い」、この「違い」を明確に設定して、その違いをしっかり描いていくことが大事なポイントなのです。

   

他のキャラクターとの「違い」と「接点・関係性」に焦点を当てる

複数のキャラクターをつくるときは、「キャラクター同士の差異」「独自性」という「違い」に焦点を当ててつくります。そして、その違い、独自性が事件や出来事を通して「比較」して描けるように物語を展開していきましょう。
具体的には、ひとつの事件に対して、それぞれ違った反応・リアクションを取らせるようにします。そうすることで、キャラ同士の違いをハッキリとさせて対比・比較によって個々のキャラクターの特徴を浮き彫りにしていくことができるのです。
登場キャラクターは、性格や特徴が似ないように「明確な違い」を設定し、それぞれのキャラの特徴が引き立つような人物の配置バランスやキャラ同士の関係性や接点(出会い、一緒にいなければならない環境・状況など)をあらかじめ作っておくことが重要になってきます。

   

 キャラクター同士の関係性と、その度合いを描こう

キャラクター同士の「関係性」を描くことで、キャラクター同士のドラマを描くことができます。
自分の人生を振り返ってみたときに、皆さんの持つ「生き方・考え方」には関わりを持った多くの人たちの影響があることがわかります。小さい頃は親、兄弟、学校の先生などが大きな影響を与えたのではないでしょうか。でも、なんといっても一番影響があるのは友達かもしれません。私たちと同じように、キャラクターも他者の影響を受けていきます。
互いのことをどう思っているのか、どこが好きなのか、嫌いなのか、信頼してるのか、憎んでいるのか、どういう影響を受けたのか、与えているのか、助けたり、助けられたり、といったキャラクター同士の「気持ち」や「係わり合い」が人間同士のドラマを生んでいくのです。
複数のキャラクターを描くには、他のキャラクターとの「係わり合い・絡みを描く」ようにしましょう。そのキャラクターと出会って、関わって、影響を受けて与えて、キャラクターの心が変化する、それがドラマとなります。良い影響も悪い影響もあるでしょう。対立もあるでしょうし、切磋琢磨して高め合うかもしれません。人間同士には、様々な関係性があります。親子、兄弟、友達、恋人、夫婦、師弟、ライバル、敵、同志、同僚、クラスメイト、上司と部下、仇、恩師かもしれないし、離婚した元夫かもしれません。たまたま同じ電車に乗り合わせた同士かもしれません。片想いの相手かもしれません。キャラクターがそのキャラクターに対してどう思っているかを考えていきましょう。好き、嫌い、尊敬しているのか軽蔑しているのかなど、キャラクター同士の気持ちや思いによって、接する態度にも違いが表れてきます。どんな思いがどれくらいあるのか、その人物と接してどう変わるのか、キャラクター同士の作用・反作用が物語をより豊かなものとしてくれるのです。

   

 なるべくキャラ同士が関わりあう性格設定・状況を作る

一人で何でもできるキャラクターだったら、他のキャラクターは必要なくなってしまいます。なぜなら、物語を進行させ、問題や事件を解決する上で「絡む必要がない」からです。他者に関心がなく、すべて自己完結してしまうキャラだと、そもそも他のキャラとの絡みが生まれません。関わろうとしないからです。これだと、人間同士が持つドラマがまったく生まれなくなります。
あえて、そういうコミュニケーションの問題を扱った作品なら別ですが、通常のエンタメ作品では主人公が他のキャラクターと密に関わりを持つほうがお客さんに好まれます。その方が、良いこと悪いこと含めて様々なドラマが生まれて物語が面白くなるからです。
ですから、物語の障害や問題の解決は、必ず「他者と係わり合い、他者の力や影響を受けることによって解決していく」というように展開させていきましょう。多くのトラブルは、人間が元で起こります。弱さ、ミス、対立が原因で事件が発生します。それを解決するのもまた、人間です。問題に対してキャラクターは多様な考え方をします。また、多くのリアクションがあります。共通の問題を解決するために、敵同士が力をあわせることもあるのです。そういうときにドラマが生まれます。
人間同士の関係性を描いた最も特徴的なものが「恋愛もの」です。自分の好きな異性が自分のことをどう思っているか、相手とどうなりたいか、そのためにどんな行動をするか、その結果どうなったか、二人の思いはどうなるか。人間同士の関係だけで、物語が進行していきます。お客さんはそれを自分のことのように見守っていきます。
ですから、キャラクターを作るときは、完全な何にも問題のないキャラを作るのではなく、なるべく他者が関わりを持ちやすいような弱点やそういう状況などをあえて作っておくようにしましょう。他者に助けてもらわないと問題が解決しない、どうしてもこの二人が出会わないと、関わらないとそもそもストーリーが進行しないといった要素・状況などを中心に、協力したり、対立したり、相談したり、想い合ったりと、できるだけ相手との関わりが生まれるような状況、人物設定・配置、ストーリーを用意しておきましょう。

     

 キャラクターは誰かに影響を与える

 キャラクターは物語の中で「変化」します。広い意味での何らかの「成長」です。そして、その際に必ず誰かから「影響」を受けて変化していきます。複数のキャラクターをつくるときは、変化・成長するキャラクターが誰なのか、そのキャラに影響を与えるキャラクターは誰なのか、どんなことで、どんな影響を与えるのか、それによってキャラクターキャラクターがどう変化するのかを、考えていくようにしましょう。

 

参考:第2章キャラクターをつくろう! の記事

■vol.13 「こうなりたい!」「こうありたい!」が愛されるキャラクターをつくる

■vol.14 キャラクターの性格の基礎は「3種類」しかない!

■vol.15 「外面的性格イメージ」と「ギャップ要素」が魅力的なキャラをつくる!

■vol.16 「セリフ」がキャラクターをつくる!

■vol.17 キャラクターは反対の性格を持つキャラ同士の、「ペア」か「3人組」でつくろう!

■vol.18 ぶっちゃけます、キャラをつくるホントに有効な方法「好きなキャラクターを下敷きにしてつくる!」

■vol.19 お客さんが支持し、共感してくれるキャラをつくる3つの秘密「願望」「弱点」「変化」

■vol.20キャラクターを「掘り下げ」て深みを出そう!



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