« ■vol.19 お客さんが支持し、共感してくれるキャラをつくる3つの秘密「願望」「弱点」「変化」 | トップページ | 物語は誰でも作れる!? »

2011年5月25日 (水)

■vol.20 キャラクターを「掘り下げ」て深みを出そう!

 

0020     

◇キャラクターを「掘り下げ」よう!

   

キャラクターの掘り下げかた

キャラクターが魅力的に見えるシーンをつくり、そこからキャラクターが出来上がりました。
つぎは、そのキャラクターを掘り下げて、さらにキャラクターの深み、厚みを増していきたいと思います。この工程は、物語がある程度進んでからでもできる工程です。以下がその工程です。

・過去を考える。「意外な過去」ギャップを付けてもよい。
・人間性を構築する① 様々な物事に対する「考え方」を探っていく。
・人間性を構築する② 様々な物事に対する「反応・態度」を探っていく。
・さまざまな難しい状況での「選択」を考える
・その他、細かい設定を考える。(生年月日、出身地、家族構成など)

   

「過去」を考える

これは、現時点では、無理に考えなくてもいいです。ストーリーを作りながら浮かんでくることもあるからです。または「キャラが魅力的に見えるシーン」を想定した段階で浮かぶこともあります。ただし、これを考えることでキャラクターに対する理解が深まります。
キャラクターの過去を考える上で、両親、生活環境、どんな育ち方をしたか、どんな経験をしたか、体験をしたか、うれしかったこと、かなしかったこと、挫折、失敗、経済状況、対人関係、子供時代など、これまでそのキャラクターがどんな人生を送ってきたかを考えると、よりキャラクターを掘り下げて捉えていくことができます。
人の性格は、持って生まれた気質のほかに、生まれ育った環境や経験した出来事によって形成されるものがあります。いや、人格形成には後天的な要素のほうが多いように感じます。ですから、その性格になったのはこんな目に遭ったからだ、こういう風に考えるようになったのはこんな出来事を経験したからだ、という性格の裏づけという意味で、キャラクターの過去を考えていくとうまくいきます。また、ギャップを狙って「意外な過去」というものも設定することができます。それによって平凡なキャラクターもより深みを増していくでしょう。

   

 キャラクターの「考え方・思考」のパターンを探る

 キャラクターは、そのキャラクター独自の「考え方」を持っています。
このキャラクターの考え方は、それまでのそのキャラクターが経験したことを通して形成されます。
また、年齢・性別・社会的立場・職業などの様々な要素がキャラクターの考え方に影響を与えます。
(親なら親らしい、学生なら学生らしい、主婦なら主婦らしい考え方をする。犯罪者、政治家、王様も貧乏人もそれぞれの独自の考え方を持っている)

《キャラクターの考え方に対する質問》

キャラクターがこの質問に答えるとしたらどう答えますか?

生活とは、 〇〇である。
友人とは、 〇〇である。
家族とは、 〇〇である。
お金とは、  〇〇である。
友情とは、  〇〇である。
幸せとは、  〇〇である。
仕事とは、 〇〇である。
学校とは、 〇〇である。
成功とは、 〇〇である。
失敗とは、 〇〇である。
愛とは、 〇〇である。
苦痛とは、 〇〇である。
信じるものは、  である。

   

 キャラクターは接する人や物、出来事によって、その「態度」が変わる

「態度」とは、あるものに対する反応・判断・表現のことです。人間は恋人と接する時と、親と接する時とでは、接する態度が変わります。学校の先生、気の合う友達、嫌な先輩、会社の上司となど、接する人物によって様々な態度をとります。その態度の裏には、その対象となる人・物・出来事への思いや考え方があります。態度は、キャラクターの日ごろ思っていることへの意見、選択、決断、評価、日常的な反応に影響を及ぼします。

    

 人間が人生において実現できる「3つ価値」

「幸せ成功法則」を提唱しているコーチングのプロである野口嘉則氏は、自身のメルマガの中で、『オーストリアの心理学者で精神科医でもあるヴィクトール・E・フランクルの唱える「人間が人生において実現できる3つの価値」』について書いています。
『ヴィクトール・E・フランクルによると、人間が人生において実現できる価値は3つあります。
 1つ目は「創造価値」。これは、何かを創り出すことによって実現される価値のことです。仕事や芸術作品の創作などがこれにあたります。
 2つ目は「体験価値」。これは、何かを体験することによって実現される価値のことです。芸術作品を鑑賞したり、自然の美しさに感動したりすることが、これにあたります。
 ユダヤ人であったフランクルは、ナチスの強制収容所に送還され、人間の尊厳を奪われるような、筆舌に尽くしがたい仕打ちを受けました。名前ではなく番号で呼ばれ、罵られ、叩かれ、蹴られ、そして動けなくなるまで重労働をさせられました。創造的な活動をすること(=創造価値)も、人間らしい喜びや楽しみを体験すること(=体験価値)も、実現不可能な状況でした。しかし、そこでフランクルは、このような状況でも実現できる“究極の価値”を見出したのです。
 それが、3つ目の「態度価値」です。これは、自分に与えられた状況や運命に対してどんな態度を取るのか。その態度によって実現できる価値です。強制収容所という過酷な環境の中にあっても、「この状況をどうとらえるか」という態度は自分で選択できるのです。
 実際、収容所という過酷な環境の中で、獣のようになっていった者もいれば、人間らしい尊厳のある態度を取り続けた者もいました。自分のことしか考えない“エゴの塊”のような人間もいれば、自分が空腹であるにもかかわらず、死にそうな仲間に自分のパンを分け与える者もいたのです。後者は、まさに態度価値を実現した人ですね。
 自分の置かれた状況をどうとらえ、どう行動するのか。それによって僕たちは、態度価値を実現し、人生を価値に満ちたものにすることができるのです。』
 人間は、人生で経験する様々な事に対する「態度」をとる事ができます。どんなに過酷で凄惨な状況であっても、その人自身が取る態度には、その人のすべてが表れるのです。

    

困難な状況に陥ってしまったときに「人はどう感じ、どう行動する」のか

 大野勝彦さんという画家の方がいらっしゃいます。
この方は農業を営んでおられた45歳の時、農作業中に腕が機械に巻き込まれてしまい両手を失ってしまいました。そして失意のどん底に落ち、入院先の病院で絶望されていたそうです。子供さんが三人いらっしゃったのですが、その子たちもいつも笑っていて、「自分の苦しみなんか誰もわかってくれない!」と自暴自棄になられていたそうです。そんなある日、看護師さんから「子供さんたちは病室の外ではいつも泣いているんですよ。でも、お父さんのそばではいつも明るく楽しい話をするんだ、と三人が思いを決め会ってから笑顔をつくって病室に入っているんですよ」という話を聞きました。その後、子供さんたちから心の子持った手紙をもらい、多くの人のやさしさや思いやりを感じたときに、大野さんの心は変わりました。「もう、今までのような生き方は終わりにしなければいけない」と、心を変え、その後、絵を描くことによって画家として人生を素晴らしいものに高め、講演などを通して多くの人に感動と励ましを与えておられます。
両腕を失うという本当に困難な状況で、絶望することをやめ、できることを行おうと行動に移したその決意と選択、行動が、その後の人生を素晴らしいものに変えたのではないかと思います。大野さんはどんな状況でも乗り切れる魔法の言葉というものをいっておられます。それは「はい、わかりました!」という言葉です。自分の身に起こったこと悲観絶望するのではなく、「はい、わかりました」と受け入れる、そう選択できるということは本当に素晴らしいことだと思います。

    

 キャラクターも「人生」を歩んでいる

人は、順風満帆の時は誰でもいいことを考え、いいことを行えます。しかし、困難な状況や苦しみの中で、極限状態の中でこそ、その人の本当の人物像・人間性が浮き彫りになってくるのではないでしょうか。それはキャラクターも同じです。キャラクターも人生を生きている一人の人間です。良いこともあれば、悪いこともあります。ときには、絶望するような辛い経験もするのです。
ですからキャラクターを血の通った人間としてのを描くには、そのキャラクターの魅力や人間性や本質が浮き彫りになりやすい状況や事件、経験を設定してやることが大事になります。そして、その中でキャラクターがとる態度、心情・感情、選択や行動を描いてやることによって、キャラクターの人間性をあざやかに描いていくことができるのです。

    

 キャラクターが様々な出来事に対して、「態度」をとるシーンを考えてみよう

●態度には、まず大きなものとして、以下のような「人生に対する態度」があります。

・満足しているか、そうでないか。前向きか、そうでないか。生きる意欲があるか、そうでないか。 

その他にも、

・人と接するときは、
・仕事に対しては、
・家族に対しては、
・同僚に対しては、
・恋人に対しては、
・敵に対しては、
・地位が上の人へは、
・逆境に対しては、
・チヤホヤされることに対しては、
・悲しいことに対しては、

●これらの状況に対してどんな態度をとるでしょうか。そのシーンを思い浮かべてみましょう。

    

 いろいろな態度

態度もいろいろあります。
ふさわしい態度、正しい態度、似つかわしくない態度、不良・反発・反抗、無視、批判、ひたむき、やる気のあるなし、など……。
色々なケースの態度を描いてやることで、そのキャラクターをより深く描いていくことができます。

   

◇考え方・思考パターン、態度・反応でギャップを狙ってもよい

   

 あえてギャップを狙っても面白い

 やはり、ここでもギャップを作っても面白いです。
 ぜんぜん偉そうじゃない人に向かって全社員が丁寧に挨拶していく、一体何者なんだ? とお客さんに思わせられます。いわゆる刑事像は犯人に対する威圧的な態度をとりますが、犯人に対して非常に丁寧に紳士的な態度を貫く刑事というのも面白いかもしれません。
 いろいろなギャップを考えてみましょう。

   

 それ以外の細かい設定を考える

 ここまで決まれば、後は諸々の細かい設定を考えていきます。
 生年月日、出身地、家族構成、座右の銘、自転車はどちらの足から乗るか……などです。いずれも、キャラクターの特徴を強調し、増徴し、ギャップの面白さを生み出すものを考えてみましょう。
キャラクターをつくる上でのいちばんのポイントは、「魅力的に見えるシーン」がキャラクターをつくるということです。
 キャラクターをつくるのではなく、その「シーン」をつくるのです。シーンがあって、そこからキャラ要素が生まれていくのです。
 また、キャラクターは、物語の上に置くことでさらに輝いてきます。ここで決めたのはキャラクターの初期設定です。このあと、物語の中でキャラクターを「立てて」いかなければなりません。また、その過程でキャラクターに対してさらにいろいろとわかってきます。あ、こいつってこんなやつだったんだ、こんなことするんだ、こんなこと言うんだ、こんなこと考えてるんだ、思ってるんだ、というようなことがだんだん分かってきます。そうしたら、そのつど気づいたことをキャラクターに対するメモに書き入れていきましょう。

    

◇「選択」を描けばキャラクターを描くことができる!

    

 キャラクターの「選び」とその後の「行い」を描いていこう!

良いキャラクターが作れたら、それを実際に作品の中で描いていかなければなりません。キャラクターを魅力的に描くには「おいしいシーン」を描いていけば魅力的になります。その際に、必ずキャラクターの「選択」とその後の「行動」を描くようにしましょう。どちらか一方だけではダメで、この両方を描いてはじめてキャラクターは血の通った実在の存在になるのです。

    

 「心情と感情」が選択を決める

 キャラクターは物語の中で様々な状況に遭遇します。事件、出来事、人との出会い、喜ばしい事もあれば、悲しい事も苦しい事も経験します。その際にキャラクターがその事象に対して「どのような思いを持ったか」「どう考え、どう感じたが」を描く事が重要になります。そして、キャラクターはその自由意思を使って、その状況でどのような選択をしたかということによって、どんな考え・価値観を持ったどんな人物かというキャラクターの人間性を描く事ができます。

    

 選択し決断した後に、どのような「行動」をとったかを描く

 キャラクターは選択をした後に、その選択に従って行動をします。特定の状況で、どう行動するか、問題に対してどう対処するか、どのような方法で行うかということがキャラクターの性格・本性を描いていく機会となります。

   

 葛藤をもとにした「難しい状況」で「二者択一」をせまる

 「選択」をさせる上でもっとも劇的な効果を発揮するシチュエーションがご存知「葛藤」です。
 葛藤については前の課で学びましたので、ここでは説明を省きますが、要は「難しい状況でどちらかを選ばなければいけない」ということです。
 一種の極限状態であるこの葛藤の状況を作って、選択行動させることでキャラクターの本性を描くことができます。このシーンを最大に活かすには、「その選択」を選ばなさそうな反対のキャラクター像を設定することです。「表面上のキャラクター」と「本性が表れる選択」のギャップを使ってキャラクターを描いていくのです。たとえば、一見悪いやつなんだけど、仲間がピンチの時は自分の命も省みずに仲間を助ける、見たいな感じです。

   

 キャラクターの心が変わり、選択も変わる!

 物語とは「変化」を描くものです。物語では「キャラクターの心」も変化します。
 変化を描くには「選択」と「行動」を変化させれば描くことができます。
 勇気を出せないキャラクターが恐れを克服して勇気を出して行動する、憎しみゆえに人を赦すことのできなかったキャラクターがその憎しみを乗り越えて人を赦す、これらの過程のドラマはすべてキャラクターの心の変化なのです。
キャラクターの変化は物語の一番最後に訪れます。その変化によって物語の最大の問題(障害)が解決へと向かいます。
 思いや心が変わると「選択」が変わり、選択が変わると「行動」も変わります。そのキャラクターの変化に、お客さんは感動するのです。

   

◇実践 キャラクターをつくろう!

   

「キャラクター作成シート」を使ってみよう!

それではキャラクターを作ってみましょう。
今までの内容をまとめた『キャラクター作成シート』(この記事の末尾からダウンロードできます)に必要事項を書き込んでいけばキャラクターが出来上がります。

     

 既成の作品のプロの作ったキャラクターをシートに書き込んで分析してみよう!

 自分のキャラクターを作るのに慣れていない方は、まず様々な作品に登場するプロの作ったキャラクターを分析してシートに書き込んでみましょう。そうすることで「キャラクター作りのコツ」みたいなものが掴めるのではないかと思います。なにごとも、真似するところから入っていきましょう。
 だんだん慣れてきたら、そのプロの作ったキャラのキャラクターシートの「情報の一部を自分の好きなように改変」してみましょう。一から全部作る事は難しくても、もともとのベースが出来上がっていて、それをいじくるだけなら結構簡単にできます。
 プロのキャラクターや、そのシーンを分析する事で、そのキャラクターの面白さの理由、魅力の秘密が掴めると思います。どんな要素が面白さにつながっているのか、どんなシーンがキャラクターを輝かせるのか、そのテクニックを盗んで自分のものにしていきましょう。

(↓下の赤い文字をクリックして「キャラクター作成シート」(PDFファイル)をダウンロードしてお使い下さい)

    

「Charactersheet.pdf」をダウンロード

  

参考:第2章キャラクターをつくろう! の記事

■vol.13 「こうなりたい!」「こうありたい!」が愛されるキャラクターをつくる

■vol.14 キャラクターの性格の基礎は「3種類」しかない!

■vol.15 「外面的性格イメージ」と「ギャップ要素」が魅力的なキャラをつくる!

■vol.16 「セリフ」がキャラクターをつくる!

■vol.17 キャラクターは反対の性格を持つキャラ同士の、「ペア」か「3人組」でつくろう!

■vol.18 ぶっちゃけます、キャラをつくるホントに有効な方法「好きなキャラクターを下敷きにしてつくる!」

■vol.19 お客さんが支持し、共感してくれるキャラをつくる3つの秘密「願望」「弱点」「変化」

■vol.20キャラクターを「掘り下げ」て深みを出そう!

|

« ■vol.19 お客さんが支持し、共感してくれるキャラをつくる3つの秘密「願望」「弱点」「変化」 | トップページ | 物語は誰でも作れる!? »

コメント

要望なんですけど、キャラクター作成シートがダウンロードできないので(┳◇┳)
作成シートの■vol.を作ってください!
作成シートがみたいのでお願いします(^O^)

投稿: | 2013年3月26日 (火) 12時19分

コメントありがとうございます!

ダウンロードできませんか?
右クリックで「名前をつけてリンク先を保存」でいけませんか。
ダウンロード出来ない場合は、ブログの左サイドバーに記載されていますメールアドレスまでメールを頂けましたら、データを添付してご返信します。

ご不便をおかけしてしまって申し訳ありません。

投稿: 「あなたの物語」製作委員会 | 2013年4月10日 (水) 17時35分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1503239/40124855

この記事へのトラックバック一覧です: ■vol.20 キャラクターを「掘り下げ」て深みを出そう!:

« ■vol.19 お客さんが支持し、共感してくれるキャラをつくる3つの秘密「願望」「弱点」「変化」 | トップページ | 物語は誰でも作れる!? »