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2011年5月27日 (金)

■vol.27 「3つの障害」をつくって、メインの問題の解決をジャマしよう!

 

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◇ 「悪い状況」=「本問題」の解決を阻むもの,それが「障害」


解決が困難であればあるほど,解決できたときの喜びも大きい

 「事件」が起こり,「悪い状況(本問題)」が生じます。そして,登場人物はその悪い状況を解決しようと「行動」を始めます。しかし,このまますんなりと問題が解決したら面白くもなんともありません。ハラハラもドキドキもなくなってしまいます。あまりにも簡単に問題が解決したのでは,お客さんは拍子抜けしてしまいます。問題はなかなか解決せず,苦労して解決までたどり着くようにしなければいけません。もしかしたら解決できないかも,と思わせることが大切です。そのために必要な要素がこの「障害」です。

物語作りのポイントは,お客さんに「どうか解決してほしい!」「何とかうまくいってほしい!」と思わせるようにストーリーを展開していくという点です。お客さんに「何とか問題が解決してほしい!」と思わせるには,簡単に問題を解決させないように「障害」を設けていくのです。

 「障害」とは,いわゆる「ジャマ」のことです。「悪い状況」すなわちメインの「本問題」の解決を阻む要素です。問題を解決しようと行動する人物には,それをジャマする「障害」が降りかからなければなりません。そうすると,お客さんの「問題解決してほしい」という望みが強くなり,その展開に引き込まれていきます。そして,何も苦労しないで問題を解決するよりも,障害を乗り越えて,困難を乗り越えて,苦労して問題を解決した方がお客さんの喜びが何倍も大きくなります。キャラクターが困難に遭えばあうほど,酷い目に遭えば遭うほど,それを乗り越えて目的を達成(問題を解決)した時のお客さんの感動も比例して大きくなるのです。


様々な種類・内容の障害がある

 「障害」といっても様々な種類があります。「人」である場合もありますし,「物」である場合もあります。「状況」である場合もあります。「自分の弱さ」がジャマするかもしれません。「裏切り」かもしれません。「天気」かもしれません。「無知」かもしれません。「貧乏」かもしれません。要は,問題の解決を阻むならば「どんなものでもいい」のです。

◇「3つの障害」をつくろう


「3つの障害」とその過程で次々と起こる「小さな細かい問題」

障害は最低3つ作っておきましょう。その3つとは,

① 「本問題(悪い状況)」の解決を妨げる「第一の障害」
② 「本問題(悪い状況)」の解決を妨げる「第二の障害」
③ 物語の最後(クライマックス部分)に発生する「最大最悪の障害」


の3つです。

◎「第一の障害」は「事件」によって引き起こされた「悪い状況」解決するための主人公の行動を妨げる要素です。解決するための方法も合わせて考えておきましょう。

◎「第二の障害」も主人公の本問題解決の行動を妨げる要素です。「第一の障害」の後に発生します。

◎「最大の障害」は3つの障害の中で最も規模が大きく,最も凶悪な障害となります。この障害によって,主人公は絶体絶命の大ピンチの状況に追い込まれます。この「最大の障害」よっては,主人公の心が変化するきっかけになります。


作品の規模や長さ,ページ数に応じて障害の数や種類,規模を決めていこう

 ということで,主人公の問題解決の行動をジャマする「障害」がどんなものかを決めていきましょう。また,いくつぐらい設定するか,どんな内容のものか,どのくらいの規模のものかを決めていきましょう。そして,その障害をどのように克服するかも合わせて決めていきましょう。「障害」は,前述の「悪い状況」とイコールなのです。複数ある「障害の克服」は複数の「悪い状況が良い状態への変化」の事なのです。

この障害を克服するのをジャマするより細かい小さな障害も発生します。

「走れメロス」に見る障害の実例

太宰治の名作「走れメロス」では,メロスが故郷の村から都の城にもどる際に,様々な「障害」がジャマします。

まず,前日の大雨で川の橋が壊れ川は増水して濁流が流れており渡れないという「障害」が立ちはだかります。何とか泳ぎきって渡ると,次に山賊が現れ,メロスを襲います。しかし,なんとかとして進むと,強烈な日差しと肉体の疲労がメロスを容赦なく襲います。そして,最も大きな障害がメロスを襲います。それはメロスの心がくじけてしまうという障害です。悪魔がささやき,意識が薄れ,とうとうメロスは前に進む事ができなくなってしまうのです。

しかし,メロスは何とかその障害をすべて乗り越えて,友であるセリヌンティウスの待つ城へとたどり着きます。

もし,何のジャマの要素もなく,簡単に順調に城に戻れてしまったら,「走れメロス」はこんなに感動的な物語にはならなかったと思います。ハラハラもしないし,ドキドキもしないし,「……ふ~ん」で終わっていたと思います。メロスが苦労し,葛藤し,力を振り絞って,闘って,困難を乗り越える姿を見るときにお客さんは心を動かされ,それらがすべてラストシーンにつながっていくのを見るときに,感動し涙するのです。


では,本講の最後に演習をやってみましょう。

演習

自分の好きな物語作品(マンガ,アニメ,小説,映画,ドラマ等)をいくつか選び,問題解決をジャマする「障害」がどんなものかを調べて書き出してみましょう。 

 

参考:第3章ストーリーをつくろう! の記事

■vol.21 「ストーリー」のつくりかた
■vol.22 物語に必要な「12の要素」
■vol.23 「はじまり」と「おわり」をつくろう!
■vol.24 「事件」が「悪い状況」を引き起こす!
■vol.25 「誰が」「何を」するのか!
■vol.26 「動機」を描こう!
■vol.27 「3つの障害」をつくって、メインの問題の解決をジャマしよう!
■vol.28 登場人物の「心が動く瞬間」を描こう!
■vol.29 「テーマ」とは、なんぞや?
■vol.30 「テーマ」はクライマックスに組み込もう!
■vol.31 クライマックスで主人公を谷底に突き落とそう!
■vol.32 「解決方法」の3つのパターン
■vol.33 12の要素をまとめて、ラストで解決する問題を決めていこう!

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