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2011年5月27日 (金)

■vol.28 登場人物の「心が動く瞬間」を描こう!

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◇まず心の変化があって,その後で問題が解決する


まず「心が変化(心の問題が解決)」し,次いで本問題の「悪い状況」が解決する

 さて,物語では,事件によって引き起こされた「悪い状況」は解決されて「良い状態」に変化します。ここでは,その問題の「解決方法」を具体的に決めていきます。「解決方法」とは解決の手段のことです。何らかの解決の要素があって問題は解決していくのです。

さて,物語のラストの「問題の解決した状態」に至るには,2つの変化(解決)の段階があります。それは

「心(内面)の変化」

「悪い状況の変化(=問題の解決)」


です。

つまり,はじめに人物の「心の変化」が起こり,その後に「状況の変化(=問題の解決)」が心の変化によって引き起こされます。

人物の心(内面)の弱さなどの問題が,「悪い状況」の原因である場合は,とくにそうです。まず心の問題が克服され(内面が良い状態に変化し),その後で状況の問題が解決するのです。

 ということで,「心の問題」の解決手段と,「悪い状況」の解決手段の「2つの解決手段(解決のための要素)」を準備していきましょう。

◇悩ませて,きっかけがあって,心が変わる


心が変化する前に,まず悩ませよう

 人間,そんなにすぐには心は変わりません。それまで生きてきて培われてきた考え方,思い,価値観,習慣というものが誰にでもあります。これは強力なものです。それによって人間の行動は支配されています。それが良いものであれ,悪いものであれ,すぐに変えろといわれても,なかなか変わらないのです。だから,問題が起こるのです。だから,それが変わった時に感動が生まれるのです。それがドラマなのです。

心はパッとは変わりません。すぐに変わったら,それはウソです。もしくは,表面上が変わったように見えるだけで,中身はそのままなだけです。ですから,すぐにキャラクターの心を変化させてはいけません。

まず「悩ませる」ということがポイントです。

変えられないから悩むのです。それまでの価値観や大切にしているものを捨てなければならないから悩むのです。トラウマやあきらめ,プライド,逃げなどの「心の問題」があるから,心がなかなか変化できないのです。それらと向き合い,悩み,苦しみ,それでも前に進もうと決断するときに,人の心は変わるのです。

そのときに心の問題が克服されます。


人の心が変化するには「きっかけ」が必要

多くの場合,人の心が変化するには「何かのきっかけ」が必要になります。

具体的には「誰かから何かを言われて(もしくは,されて)変わる」か,「何かの状況を見て変わる」といった「外的な要因」が必要になります。

何らかの外的要因があり,それに対して人物の心になんらかの影響・反応が生じます。外的要因は,そういう「反応」を生じさせるレベルの,ある程度強力なものでなければなりません。そして,人物がそれを受けて考えたり,悩んだり,苦しんだりした後に,心が変化するわけです。これは,心の良い変化,すなわち「心の問題の解決」になります。

ですから,この「外的要因が何なのか」「どんなふうにキャラクターに影響を与えるか」を決めていく必要があります。

◇心が変われば,行動も変わる


心が変化し,その後に「変化した行動」をさせる

 キャラクターは問題解決のために行動をしますが,心が変わる前は問題の解決につながる行動をとる事ができない状態に置かれています。それは,何らかの心的要因がジャマしてその行動ができないためです。しかし,キャラクターの心が変化すると,その問題の解決につながる行動をとる事ができる状態になります。そうして,その行動をとる事によって問題は解決します。

 つまり「心が変化」→次に「変化した行動をとらせる」という順番です。


できなかった選択をさせ,できなかった行動をさせる

 繰り返しになりますが,心の変化は心の中の出来事です。この変化は,心理描写で「変わりましたよ~」と示しても,あまりお客さんに伝わりません。もちろん,感動も生みません。

人間は「心が変われば,行いも変わる」のです。

ですから,心が変わったことを表現するにはキャラクターの「行動を変えればいい」のです。それまで選ばなかった選択をさせ,それまでやらなかったこと,できなかったことをさせてやれば,キャラクターの心が変わったことを描く事ができます。


キャラクターの心が変わった後の行動が変わったときにお客さんは感動する

お客さんは物語の何に感動するかというと,「キャラクター」,しかもそのキャラクターの成長,すなわち「心の変化」にお客さんは感動するのです。そして「心の変化」は「変化した行動」として表現されます。ですから,お客さんはキャラクターの心が変わった後に,「キャラクターの行いが変わったとき」に感動するのです。

(このことに関して第5課の「キャラクターは成長する。変化する。」の項目をもう一度参照してください)

さて,このキャラクターの「心の変化」,そして「変化した行動」は,この後で学ぶ物語に必要な10の要素である「テーマ」と密接に関わっていきます。

次の課では,この「テーマ」について学んでいきましょう。

 

参考:第3章ストーリーをつくろう! の記事

■vol.21 「ストーリー」のつくりかた
■vol.22 物語に必要な「12の要素」
■vol.23 「はじまり」と「おわり」をつくろう!
■vol.24 「事件」が「悪い状況」を引き起こす!
■vol.25 「誰が」「何を」するのか!
■vol.26 「動機」を描こう!
■vol.27 「3つの障害」をつくって、メインの問題の解決をジャマしよう!
■vol.28 登場人物の「心が動く瞬間」を描こう!
■vol.29 「テーマ」とは、なんぞや?
■vol.30 「テーマ」はクライマックスに組み込もう!
■vol.31 クライマックスで主人公を谷底に突き落とそう!
■vol.32 「解決方法」の3つのパターン
■vol.33 12の要素をまとめて、ラストで解決する問題を決めていこう!

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