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2011年5月27日 (金)

■vol.33  12の要素をまとめて、ラストで解決する問題を決めていこう!

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◇12の要素をつなげると物語の核心部分「本問題発生と解決の粗筋」ができる

12の要素を順番につなげてみよう

これまでに作ってきた物語に必要な12の要素を,問題発生から解決までその順番に従って並べてみましょう。順番は以下の通りです。

※0 はじまり(事件の前に「悪い状況」がある場合)
1 事件(「悪い状況」が発生するためのきっかけの出来事)
2 はじまり(事件が「悪い状況」を引き起こす,もしくは悪化・深刻化)
3 人物(誰が問題を解決するか)
4 動機(何のために解決しようと思うか)
5 行動(解決のためになにをするか)
6 第一・第二の障害(解決を邪魔する,邪魔になるあらゆる要素)
7 心の変化のきっかけ(心の変化のきっかけ)
8 心の変化(改心・選択・決断)
9 テーマ(心の変化後の行動と,それがもたらす結果)
10 最大の障害・絶体絶命のピンチ(最後の最大の障害・ピンチに陥れる)
11 解決方法(テーマの結果,もしくは「解決方法」)
12 おわり(悪い状況の回復した状態)
             

……です。

こうして12の要素をつなげると,自動的に問題発生からどのような過程を経て解決まで至るのかを著した「粗筋」ができあがります。これが,物語の中心部分となります。

「粗筋」の具体例

では,実際にひとつ例として作ってみます。

キャラが魅力的に見えるシーン  
「マネジャーがたった一人で野球部のためにがんばり,それを見て部員が一人,また一人とやる気になっていく」

世界観             
「現代,日本,高校,野球部」

はじまりとおわり        
「野球部廃部の危機」「部の存続が決まる」

⓪悪い状況
「全員やる気なし(熱中できるものが見つからない),試合で一度も勝った事がない」

① 事件
「やる気のない態度に,生徒総会で『今度勝たないと予算の廃止と廃部』になることが議決される」

② はじまり・悪い状況
「野球部廃部の危機,今度勝たないと廃部」

③ 人物
「主人公マネージャー,と野球部員」

④ 動機
「(マネージャーの)父親が創設した野球部を存続させたい」

⑤ 解決の行動
「部員がとにかく練習するようにマネージャーがいろいろがんばる

⑥ 障害
「やる気のあるのはマネージャーだけ,他の部員は練習もろくに参加しない」

⑦ 心の変化のきっかけ
「たったひとりでもがんばっているマネージャーの姿を見る」

⑧ 心の変化
「マネージャーの姿を見てみんなが改心して,熱心に練習をはじめる」

⑨ テーマ
「ひとりのがんばりが,みんなを変える」

⑩ 最大の障害・絶体絶命のピンチ
「試合に出場し,あと少しで勝てるってとこで負けてしまい,廃部が決定」


⑪ 解決方法
「熱い試合を観戦していた一般学生たちが感動し,野球部存続のための署名を集め,臨時生徒総会でその署名と部員の試合でのがんばりが認められ,生徒会が押し切られて存続を認める」

⑫ おわり・回復した良い状態
「部の存続が決まる」

……と,こんな感じになります。ポイントとしては,試合に勝って部の存続が決定するのではなく,一回試合に負け,廃部が決定するという最大の障害に襲われ,問題解決が絶望的な状況に陥ってから,一般学生の署名活動とがんばりが認められることにより,問題が解決するという展開です。

また,一人のマネージャーのがんばりが部員たちの心を変え,部員たちの試合でのがんばりが,一般の学生の心を変えるという構造になっています。

ここで大事なのは,「はじまりとおわり」を決めたら,どんなことがあってもブレないことです。「おわり」,つまりどの問題(=悪い状況)の解決を描くかという点です。

今回のストーリーでは4つの悪い状況がありました

はじめからあったのが,

「部員全員のやる気がない,練習に参加しない」

「熱中できるものが見つからない」

「試合で一度も勝ったことがない弱小チーム」

事件後に発生したのが

「野球部が廃部になってしまう」です。

この中で,ラストで解決する問題をどれにするかでストーリーが変わってきます。テーマも変わってきます。

今回のテーマは「ひとりのがんばりが,みんなを変える」です。そのテーマから導き出された展開として「マネージャーのがんばりが部員たちの心を変え,みんなが練習に参加する」というストーリーが生まれました。この時点でテーマの行動の結果として「部員全員のやる気がない,練習に参加しない」という悪い状況が回復しました。もし,「熱中できるものが見つからない」問題を最後か解決するなら,ここでみんなのそれが見つかってめでたしめでたしになります。

「試合で一度も勝ったことがない弱小チーム」という問題が最後に解決するなら,試合展開でピンチに陥り,それを何らかの解決方法で解決し,勝つ,というストーリーになります。

でも今回は「野球部が廃部になってしまう」という問題をラストに解決される問題に定めたので,ストーリーは「試合で負けてしまい,一番深刻な問題である「野球部の廃部」の解決が不可能になるという最大の障害に襲われた後,一般学生の心を動かし,学生の署名活動を生み,生徒総会で存続が決まるというストーリーになったのです。

「はじまり」「おわり」を最初に考える理由は,どの問題を「ラストに解決する問題」にするかを決めるという意味があるからです。たとえ野球部がなくなっても,熱中できるものが見つかれば「熱中できるものが見つからない」という問題は解決したことになります。どこをゴールに設定するか,ストーリーをまとめる上ではこれが一番大切ということになります。

では,今回も本講の最後に演習をやってみましょう。

演習

自分の好きな物語作品(マンガ,アニメ,小説,映画,ドラマ等)を一つ選び,その作品の「物語に必要な12の要素」を書き出してみましょう。

 

参考:第3章ストーリーをつくろう! の記事

■vol.21 「ストーリー」のつくりかた
■vol.22 物語に必要な「12の要素」
■vol.23 「はじまり」と「おわり」をつくろう!
■vol.24 「事件」が「悪い状況」を引き起こす!
■vol.25 「誰が」「何を」するのか!
■vol.26 「動機」を描こう!
■vol.27 「3つの障害」をつくって、メインの問題の解決をジャマしよう!
■vol.28 登場人物の「心が動く瞬間」を描こう!
■vol.29 「テーマ」とは、なんぞや?
■vol.30 「テーマ」はクライマックスに組み込もう!
■vol.31 クライマックスで主人公を谷底に突き落とそう!
■vol.32 「解決方法」の3つのパターン
■vol.33 12の要素をまとめて、ラストで解決する問題を決めていこう!

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