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2011年5月27日 (金)

■vol.34 3幕構成(4区分)で プロットをつくろう!

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◇本番の原稿を書き始める前にプロットをつくっておこう


材料はそろった!

 前回までで,物語に必要な要素をつくることができました。つまりは,材料がそろったのです。つぎは,その材料を使って,実際にどのように料理していくかを考えていきましょう。

料理では,いくら良い材料を使っても料理の方法がうまくないとおいしい料理ができません。それと同じようにキャラクターや解決方法がいくらいいものができたとしても,実際に物語にする時点で失敗してしまうとできあがるストーリーは,つまらないものになってしまいます。それを防ぐために,具体的に物語に組み立てていくうえで大事になってくるのがこの「プロット」です。


プロットとは「物語の設計図」である

プロットとはいわゆる「あらすじ」です。きちんとした文章でもなく,物語全体の流れを描写する順番にを追っていったメモや図のようなものです。詳しい描写やセリフは,まだこの段階では考えません。(といっても,思いついたらメモしていきましょう)

プロットで大切なことは,物語全体を俯瞰して「全体の大きな流れと構成」を掴むことです。プロットは物語の設計図なのです。

そのやり方は人によって様々で,詳細に決めていく人もいれば,ほとんど何も決めずに本番の執筆をスタートする人もいます。書き方も様々で,文章で書く人もいれば,箇条書きに書く人もいるかと思うと,フローチャートのように書く人もいます。これは,どれが正解かというものはありません。どんな形式でも構いません。やりやすい形式を試してみてください。

……そんな無責任な,と思った方がいるかもしれませんが,いいのです。形式は何でも,どんなものでも構いません。

なぜなら,大事なのは形式ではなくその「構成方法」だからです。


◇「構成」がプロットの鍵を握る!


構成とは「ページ数内(時間内)に,なにを,どのくらいの割合で,どんなふうに収めるか」ということ

物語がうまく組み立てられるか,面白くなるか,つまらなくなるかは「構成」にかかっています。構成=プロットといっても過言ではありません。なぜかというと,物語作品のほとんどは「作品の長さ」を持っています。マンガや小説ならページ数,アニメや映画などの映像作品なら作品尺という「一定の分量」を持っています。連載作品のように,どこまでも続けられるものだとしても,一回に雑誌に掲載できるページ数というのは決まっています。何十巻にも及ぶ大河小説でも,一冊の本として出版できるページ数にはおのずと限界があります。TVアニメなら30分番組(作品尺は正味20分)ですし,ドラマは1時間番組,映画なら1時間30分から2時間という一定のラインがあります。エンターテインメント系の作品には,このように時間的制約,分量的制約が必ずあります。どんなに優れたアイディアを持っていても,その作品の規定分量に合わないものであれば,出版できないし,見てももらえません。つまり,その規定分量内にどのように納めるかが重要なのです。

分量は決まっていて,描きたいストーリーもあります。それなら,物語の構成を分量に合わせて調整していけばいいのです。つまり,物語の序盤にどのくらいのページ数を割くか,どんな順番で描写していくか,何ページから何ページまででこのシーンを描かなければならないかといった「ページ(時間)配分」をしていくのです。しかし,ただ無計画に配分してもうまくいきません。どのようにページ(時間)配分すれば一番良いかを考えていかなければいけません。そのための方法が「構成」なのです。


「構成」がお客さんを物語に引き込む

お客さんは,物語がはじまってすぐ「この作品をこれ以降見続けるべきか否か」を判断しようとします。はじまってすぐの段階で面白いと感じなければ,お客さんはそこで見るのをやめてしまいます。始まりがよくても,序盤が退屈だとまた見るのをやめてしまうし,中盤の展開が遅く,平坦なものだとやはり見るのをやめてしまいます。物語の終盤が盛り上がらないと,見てはくれますが,見終わった後に「つまらなかった」という感想を抱きます。これは,キャラクターが悪かったからでもなく,ストーリーやアイディアがマズかったせいでもありません。物語の「構成」が悪かったからなのです。逆に良い構成だと,お客さんは退屈せずに常に刺激を受け続け,ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。

ですから,良いキャラクターやストーリーのアイディアを活かすも殺すも,すべては物語を「どう構成していくか」にかかっているのです。


◇4コマまんがの構成に最適な「起承転結」


「起承転結」は4コマまんがそのもの

日本で一番有名な構成法は「起承転結」です。

この構成法は4コマまんがにピッタリの構成です。4コマまんがはコマが4つありますが,その4つのコマにちょうど「起」「承」「転」「結」と1コマずつ当てはめていくと1本作品ができあがります。

起承転結とは以下のようなものです。

「起」とは,物語の起こり,事件のはじまり,原因。
「承」はその事件を受けて,話が進行・発展。
「転」話が思わぬ方向,意外な方向にひっくり返る。
「結」結果,結末。どうなったか。オチ。

例として,

起「わたしはりんごが好きだ」
承「赤い色が食欲をそそるし,食べやすいし,甘いし,さっぱりしてて,歯ごたえもいい」
転「でも,一番愛しているのはりんごではなく梨だ」
結「だって,わたしは梨農家だから」

……と,こんな感じでしょうか。

この構成法は,最も基本的なものです。さて,そんな便利な構成法「起承転結」なのですが,じつは読み切り漫画などの短編や長編作品にこれを当てはめようとすると,なかなかうまくいかないのが現状です。どうしてもしっくりいきません。なぜなら,作品尺が長くなると「承」の部分の割合が非常に長くなり,また各パートの長さも4コマまんがのようにきれいには当てはまらなくなってくるからです。

エンタメ系の作品の場合,もっと具体的に構成していくには,さらに詳しい構成方法が必要になってきます。


◇エンタメ系にピッタリの構成法は「三幕(4区分)構成」!


「三幕(4区分)構成」とはなにか

 三幕(4区分)構成とは物語全体を3つの内容的区分に分け,しかも第2の区分を2つに分けて合計で4つの区分に分けて考える構成方法です。ハリウッド映画で多く使われています。

基本的な流れは起承転結と同じです。ただ,その境界線を「3幕で4つの区分」に分けているということが特徴です。

その4つの区分とは,

① 第一幕 「発端」
② 第二幕 「中盤」の【前半】
③ 第二幕 「中盤」の【後半】
④ 第三幕 「結末」

の4つです。


◇3幕(4区分)構成の内容


第1幕 発端部

発端部では,ツカミ,いつ,どこで,だれが,どんな状況か,主人公は誰かを描きます。そして最後に事件が発生します。

まず「ツカミの出来事」があり,その後「人物紹介・状況説明」をし,「キャラクターを立てるエピソード」があり,発端部の最後に「事件」が発生します。この事件がきっかけとなり物語がスターとします。

ここまでが発端部です。


第2幕 中盤部 前半・ミッドポイント・後半

中盤部では,何が起きたか,何をしたかを描きます。そして,最後に最大の障害が主人公を襲います。

発生した事件が「状況の悪化」をもたらし,主人公が「問題解決の目標」を定め,「問題解決の行動」を開始します。その行動をジャマする「障害」があり,それを解決しながら,悪い状況の解決を目指して行動を続けます。そして「心の変化」があり,変化後の「解決のための行動」をします。中盤部の一番最後で,主人公たちを「最大の障害」が襲います。

 中盤部でのポイントは,ちょうど中間にミッドポイントという転換点があり,それによって前半と後半の二つの内容(段階)からなっているという点です。ミッドポイントによって,一旦結果が出て,その後,後半に新たな展開がはじまるという構成になります。


第3幕 結末部

結末部では,どうなったか,物語の結末,結果を描きます。問題の解決と状況の回復,後日談が描かれます。

最大の障害によって「絶体絶命のピンチ」に陥った主人公が,見事な「解決方法」で一気に「問題を解決」します。そして,悪い状況が良い状態に回復します。一番最後に,「後日談,エピローグ」が描かれます。

 ポイントは,第2幕が前半と後半の二つに分かれているという点です。そしてその真ん中に「ミッドポイント」があります。

また,先に作った12の要素は,第1幕「発端」の最後の事件発生から第3幕「結末」の良い状態への変化まで,の構成要素になります。ですから,ツカミと状況設定,キャラクターを立てるエピソードを考えていきましょう。

それでは,次の課からこの三幕4区分の構成とそのために必要な要素を詳しく見ていきましょう。

その前に,いつもの演習問題です。

演習

自分の好きな物語作品(マンガ,アニメ,小説,映画,ドラマ等)を一つ選び,その作品の構成を3部構成表に書き出してみましょう。

付録

3幕構成表のPDFデータは、下の文字を右クリックしてダウンロードしてください。

「3act.pdf」をダウンロード

 参考:第4章「構成」を組み立てよう!

■vol.34 3幕構成(4区分)でプロットをつくろう!

■vol.35 物語は「エピソード」で出来ている!

■vol.36 キャラクターの「気持ち(内面)」を描かずして、何が物語か!

■vol.37 面白い物語は始まりから面白い! 「ファーストシーン」(ツカミのつくり方)

■vol.38 「ネタ振り」が物語の出だしを盛り上げ、作品の方向性を決定する!

■vol.39 状況設定は「エピソード」を使って行おう!

■vol.40 いちばん大切な事、「とにかくキャラクターを立てよう!」

■vol.41 「事件」が“物語の本当の始まり”になる!

■vol.42 物語の本問題の発生と解決の主要な流れ、「メインプロット」

■vol.43 中盤部の面白さは、「サブプロット」にあり!

■vol.44 「ミッドポイント」――物語の真ん中では何が起こっているか!

■vol.45 「3つの流れ」を描こう!

■vol.46 物語の「山場」を盛り上げよう!

■vol.47 12の要素を当てはめてラストをつくろう!

■特別付録「物語あらすじ制作シート」

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