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2011年5月28日 (土)

■vol.39 状況設定は「エピソード」を使って行おう!

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◇状況設定は「いつ」「どこで」「だれが」「どんな状況か」を描いていこう
 
 
5W1Hの内の,いつ―when,どこで―where,だれが―whoを描いていこう!

ツカミでまずはお客さんを物語に引き込んだら,一息ついたところで,次に状況の説明・設定を行っていきましょう。

ここで行う事は,

「いつ」………………時間(朝・昼・午後・夕方・夜など),季節,時代(現代なのか,中世なのか,江戸時代なのか,大正時代なのかなど)

「どこで」……………場所,どこにいるのか

「だれが」……………人物(キャラクター),主人公は誰なのか,どんな人物なのか,人物同士はどんな関係なのか,必要であれば名前など

「どんな状況か」……人物を取り巻く状況はどんなものなのか(戦場なのか,授業中なのか,デートの最中なのか,遅刻しそうで急いでいるのか,風呂に入っているところなのか,など……)

世界観・設定(魔王が支配しているとか,魔法が使えるとか,武装メイドの一員である,など……)

生活・居住環境(どんな暮らしをしているのか)

を描く事です。

 お客さんは作品の世界に今,はじめて入ってきました。まだ,何も知りません。主人公が誰なのかさえまったく知りません。説明・設定がないと,お客さんを置いていってしまうことになります。ですから,物語がはじまって早い段階でこれらの事を説明していかなければいけません。
  

「時」と「場所」は物語のいちばん最初で描いておこう

なにはなくとも,場所,そして時間の説明は,必ずいちばん最初に行いましょう。そうしないとお客さんが,キャラクターがどこにいるのか,時間帯はどのくらいなのかという状況をつかめず,作品の舞台や人物をイメージできなくなり,ストーリーの内容が不鮮明になってしまう恐れがあります。

マンガや,映画などの映像作品では,最初にロングショットなどを用いて「ここがどこなのか」「時間帯はいつくらいなのか」を説明していきましょう。字幕などを使って,時と場所を端的に表現するのも有効です。ページ数の節約にもなります。
 
 
状況説明は「エピソード」で描いていこう

 作品の冒頭で,ナレーションなどの長々とした説明からはじまると,お客さんは退屈してしまいます。また,説明されていると感じると,お客さんはその世界にうまく入り込めなくなってしまい,めんどくさくなって,ここで読むのをやめてしまいます。

では,どうするかというと「具体的なエピソードやそこでの会話などを描きながら,これらの状況が自然にわかるように進行させていく」のです。「説明」するのではなく,エピソードを用いて「描写」していくのです。

例えば『西遊記』の中で登場する「名前を呼ばれて返事した人間を誰でも吸い込んでしまう恐ろしいひょうたん」という道具をお客さんに説明する場合,文字やキャラクターの口を借りて説明をさせるよりも,実際に「返事をした人が吸い込まれてしまうという様子を描いた恐怖のエピソード」を描いた方がうまく伝わりますし,道具の能力・恐ろしさ・手ごわい敵だという事を,お客さんを退屈させる事なく説明を行う事ができます。

学校へ登校するところを描けば「ああ,この人物は学生なんだな」とか「今登校しているんだな」「時間は朝なんだな」という事が説明をしなくてもわかります。友達と話していれば,「親しい間柄なんだな」とか話の内容から「その人物がどんな事に興味を持っているのか」などといったキャラクターの人となりも知る事ができます。

 何らかのエピソード・出来事・シーン・会話などの中で,自然に「いつ」「どこで」「だれが」「どんな状況か」がわかるように,この場面を描いていきましょう。

 さて,もし連載作品などで,大体の主要な人物や世界観などをお客さんが知っている,という場合はこの部分にそんなに分量を割かなくても構いません。前から見てくれているお客さん以外に,一見さんも取り込んでいきたいという場合は,最低限の事がわかるくらいに説明をとどめて置くくらいでちょうどいいでしょう。
 

ナレーションでの説明は最小限にとどめよう

 短い作品の場合,ページなどを節約するためにナレーションを使って説明を手短に終わらせなければいけない場合があります。その場合は,お客さんが退屈しないように工夫をしていきましょう。たとえば,単なる説明文ではなく主人公のモノローグとして言わせたり,ナレーションのバックに描かれている絵をインパクトのある人目を引くものにしたりして,お客さんが説明されているとなるべく感じないような工夫や配慮を心がけていきましょう。

 また,ナレーションでの説明はあくまで「場所・時代・時代背景・世界観・設定の説明」にとどめ,キャラクターやその周辺の状況説明などは必ずエピソードを用いて行うようにしましょう。

では,今回も本講の最後に演習をやってみましょう。

演習

自分の好きな物語作品(マンガ,アニメ,小説,映画,ドラマ等)をいくつか選び,ツカミの事件がどんなものか書き出してみましょう。


 参考:第4章「構成」を組み立てよう!

■vol.34 3幕構成(4区分)でプロットをつくろう!

■vol.35 物語は「エピソード」で出来ている!

■vol.36 キャラクターの「気持ち(内面)」を描かずして、何が物語か!

■vol.37 面白い物語は始まりから面白い! 「ファーストシーン」(ツカミのつくり方)

■vol.38 「ネタ振り」が物語の出だしを盛り上げ、作品の方向性を決定する!

■vol.39 状況設定は「エピソード」を使って行おう!

■vol.40 いちばん大切な事、「とにかくキャラクターを立てよう!」

■vol.41 「事件」が“物語の本当の始まり”になる!

■vol.42 物語の本問題の発生と解決の主要な流れ、「メインプロット」

■vol.43 中盤部の面白さは、「サブプロット」にあり!

■vol.44 「ミッドポイント」――物語の真ん中では何が起こっているか!

■vol.45 「3つの流れ」を描こう!

■vol.46 物語の「山場」を盛り上げよう!

■vol.47 12の要素を当てはめてラストをつくろう!

■特別付録「物語あらすじ制作シート」

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