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2011年7月 1日 (金)

■vol.50 「同人誌」をつくろう!

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◇既存の作品を「どうすればもっと面白くなるのか」と考えると、ヒントが見えてくる



 既存の作品のパスティーシュ(贋作・オリジナルエピソード)を書いてみると、面白くするために「何が必要か」わかる

設定とは少し話がズレるかもしれませんが、また以前書いたことと重複するかもしれませんが「既存のある作品」があったとします。けっこう好きな作品だったとします。その作品のオリジナルエピソードを自分が書くとしたら、例えば一話完結の連載作品を自分が1話だけ書くとしたら、どういう手を使って面白くできるでしょうか。「さらに面白く」するにはどうすればいいのでしょうか。

これはいわゆるアニメやマンガ、ゲームのファンが作る「同人誌」の作り方と似ています。このいわゆる「贋作」作りは、物語を面白くする要素を学ぶ上で非常に役に立つ方法です。

名探偵の代名詞ともなっているコナン・ドイルの推理小説『シャーロック・ホームズ』シリーズは、世界中のファンの間で今なお贋作作品が作られ続けています。日本でも新本格推理の旗手として名高い島田荘司氏の作品の探偵「御手洗潔」シリーズの贋作作品などが有名です。作者の島田氏もこういったファン作品に大きな興味を示しています。

マンガやアニメの同人誌は今や各地で即売会が開かれ、年二回のコミックマーケット等でもおなじみのファンの集い&即売会です。これはいまや一つの創作文化として認められ、同人誌でのパスティーシュ制作はメーカーも事実上認めているところがあります。逆に同人誌に描いてもらった方が売り上げが伸びるという例もあります。

本講座でもあくまで自己の勉強のため、物語創作の技術向上のための習作の一つとして作ってみることをおすすめします。それを即売会などで発表・販売するかどうかは個人の自由です。

さて、同人誌では、キャラクターや設定はすでにあります。また、本編でのストーリーの流れもすでに存在します。その中でオリジナルのストーリーを創作するのです。そのためには、すでにある設定やストーリー、キャラクターを様々な角度から捉えて、膨らませて描いていく必要があります。



 キャラクターをいろんな面から多角的に捉えてみる

既存の作品は本編で見せるキャラクターの魅力がすでに存在します。ある程度キャラ設定が決まっています。そういう場合、その設定を膨らませたり、設定の隙をついたりして、物語を創作していきます。たとえば、キャラクターが普段見せない面(職業についているキャラクターだったら非番や休日の時に見せる別の顔など)を描いてやると、ギャップや2面性によってキャラクターが引き立ちます。

一人のキャラクターには、いろいろな面があります。家族では二人の妹の頼もしい兄ですが、学校では勉強ができずに悩んでいる学生かもしれません。しかし部活では水泳部に所属して県大会で優勝したすごい選手かもしれません。放課後はイタズラをやって周囲を困らせる問題児かもしれませんが、横断歩道ではおばあちゃんの荷物を持ってあげる優しい少年かもしれません。このように、キャラクターにはいろいろな側面があり、いろいろな立場・状況での一つのキャラクターのいろいろな側面が見えた時、キャラクターはふくらみ、広がっていきます。

 次のような方法で「いつもの」キャラクターを広げてみましょう。

● キャラクターの普段見せない意外な一面を描いて、キャラクターを膨らませる。
● スポットの当たらないキャラクターにスポットを当ててみる。
● ヒーローや正義の味方などの日常を描いたり生活描写をするなどして、キャラクターを膨らませていく。
● さまざまな場所・立場・場面・状況で見せる一面を描いてみる。
● 普段関わりのあまりないキャラクターと関わらせてみる。

参考:第5章 設定をつくろう!

■vol.48 「設定」は、「キャラが魅力的に見えるシーン」のためにある!

■vol.49 物語のもう一つの流れ、「謎の解明」

■vol.50 「同人誌」をつくろう!

■vol.51 主人公には「いちばんの才能」を持たせよう!

■vol.52 「特殊能力」の面白さは「制限要素の面白さ」である!

■vol.53 キャラクターの「目的」「目標」「動機」を設定しよう!

■vol.54 キャラクターが一番引き立つ「世界観」を設定しよう!

■vol.55 「組織」「職業」「部活」「家族」――人は何かに所属している

■vol.56 敵には敵の「都合」がある!

■vol.57 キャラクターや物語を引き立てる「道具・アイテム」をつくろう!

■vol.58 「制限」があったほうが物語を作りやすいって、ホント?

■vol.59 物語に「仕掛け」を施して、お客さんをアッといわせよう!

■vol.60 物語を盛り上げる方法と、キャラクターが勝手に動いてくれる設定

■vol.61 長編・短編のつくりかた どんな長さの作品でもお客さんを満足させる方法

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