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2011年7月 4日 (月)

■vol.53 『キャラクターの「目的」「目標」「動機」を設定しよう!』

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◇キャラクターは「目的」や「目標」を持っている

  

キャラクターに明確な「目的」や「目標」を持たせよう!

キャラクターには「目的」と「目標」が必要です。以前に学んだことですが,キャラクターはその目標を達成するために行動するのです。キャラクターや物語には「~のために~をしなければいけない,そうしないとなにか(例えば平和とか)が失われてしまう」というある種の強制力のある強力な「目的」が必要です。「問題」を考え,その解決のために「~をしなければいけない」という設定をまずは考えてみましょう。あくまで発想はシーンから考えていきましょう。

  

マンガに必要なもの「目的」「障害」「倒すべき敵」

目標を達成する過程で問題が起こります。何かで読んだのですが(たしか漫画家の高橋留美子氏の言葉だったと思うのですが)マンガの世界ではマンガに必要なものは「目的」「障害」「倒すべき敵」の3つです。手塚治虫の傑作マンガ『どろろ』を読むと,そのことがはっきりと分かります。主人公の百鬼丸は父親の野望をかなえるのと引き換えに生れる前に妖怪に体の各部位を奪われるという契約を交わされてしまいます。生れてきた百鬼丸は48の妖怪たちに体を奪われ捨てられてしまいます。しかし,ある医者に救われ,人工の義手や義足をはめられてなんとか生活できるようになります。成長した百鬼丸はその48の妖怪から奪われた自分の体を取り返すために討伐の旅に出るのです。

このあらすじだけ見ても「目的」「障害」「倒すべき敵」が見事に設定されて,百鬼丸の妖怪討伐の旅の強力なモチベーションになっています。

 一つの事象に対して多数のキャラクターは様々な「目的」を持ちます。その違いを描くことでキャラクタターを立てていくことができます。キャラクターの持つ目的をしっかりと決めていくことはとても大切です。

  

動かないキャラクターを行動させるために「目的」や「動機」を与えよう

「目的」「動機」のないキャラクターは動きません。動かそうとすると無理が生じます。このまま無理を通すと作品が行き詰ります。そして筆が進まなくなります。それを防ぐためには,キャラクターが動いてくれないと感じたら,その行動を喜んでするような,したくなるような,しなければいけなくなるような「目標」「目的」「動機」をキャラクターに与えてあげましょう。

『美味しんぼ』TVアニメ第1話で新聞社に勤める主人公の山岡は,新聞の記念企画で「究極のメニュー」の企画を担当することになります。しかし,山岡は味にこだわる自分に嫌気がさしており,この究極のメニューの企画を拒否し,会社に辞表まで出してしまいます。このままの山岡では「究極のメニューを作るという目的」とは相容れないので,キャラクター的に究極のメニューを作ることができません。そう動いてくれません。ここで無理やり究極のメニュー作りを山岡に強要させるとキャラクターが破綻してしまいます。でも物語的には主人公の山岡が「究極のメニュー」をつくっていかないとストーリーが進みません。

そこで,この山岡に究極のメニュー作りをさせるために山岡に「動機」を与える必要があります。キャラクターがそういう動機を持つようになる「出来事」を起こし,そのきっかけとなる「経験」をさせてやるのです。それによってキャラクターは「動機」を得るのです。

『美味しんぼ』TVアニメ第2話がその「動機」を与えるエピソードになっています。第2話では新聞社に親子の縁をきった山岡の父親,海原雄山が乗り込んできて料理に関することで対決をすることになります。そこで山岡は負けてしまうのです。その夜,山岡は「憎き海原雄山を倒すため,料理の面で完膚なきまでに叩きのめすために,究極のメニューの企画をやります!」といって決意して辞表を撤回します。この一連の出来事によってキャラクターに「目的」「目標」「動機」を与えることができるのです。

   

設定に動機を絡めていこう

 設定を作る際には「動機」「目的」「目標」をしっかりと設定していきましょう。いわゆる「巻き込まれ型」のキャラクターを出したい場合はとくにそうです。巻き込まれただけでは人は行動しないのです。何かその行動をする「動機」が必要です。『エヴァンゲリオン』でも主人公は最初,ロボットに乗り込むのを拒否しますが,代わりに乗せられようとする重傷のパイロットの少女を助けるためにロボットに乗る決意をします。

「動機」は「世界観」や「特殊能力」などのその他の設定と絡めて,連動させて考えていきましょう。あるキャラクターと一緒に何かをさせたい場合,「そのキャラクターがそうせざるを得なくなるような要素」を設定してやるとよいでしょう。例えば,魔物探しに協力しないと命が奪われるという契約をうっかりしてしまう(つまり協力しないと命を失う)などです。

参考:第5章 設定をつくろう!

■vol.48 「設定」は、「キャラが魅力的に見えるシーン」のためにある!

■vol.49 物語のもう一つの流れ、「謎の解明」

■vol.50 「同人誌」をつくろう!

■vol.51 主人公には「いちばんの才能」を持たせよう!

■vol.52 「特殊能力」の面白さは「制限要素の面白さ」である!

■vol.53 キャラクターの「目的」「目標」「動機」を設定しよう!

■vol.54 キャラクターが一番引き立つ「世界観」を設定しよう!

■vol.55 「組織」「職業」「部活」「家族」――人は何かに所属している

■vol.56 敵には敵の「都合」がある!

■vol.57 キャラクターや物語を引き立てる「道具・アイテム」をつくろう!

■vol.58 「制限」があったほうが物語を作りやすいって、ホント?

■vol.59 物語に「仕掛け」を施して、お客さんをアッといわせよう!

■vol.60 物語を盛り上げる方法と、キャラクターが勝手に動いてくれる設定

■vol.61 長編・短編のつくりかた どんな長さの作品でもお客さんを満足させる方法

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