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2011年12月31日 (土)

■実践編vol.03 意外なこと、意外な言い方、「意外性」がセリフを 面白くする!

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◇「意外なこと」をいわせよう!

   

「つまらないセリフ」は単調で退屈なのだ

 さて、突然ですが「つまらないセリフ」とはどんなセリフでしょうか。
 それは「単調」で「退屈」なセリフのことです。内容が薄く、特徴もなく、誰もが同じような口調、まるで答えがあらかじめ用意されているかのような決まりきったやりとり、人物像通りの口調など、そういったセリフが面白くない会話シーンを生み出してしまいます。つまらない退屈なセリフには、キャラクターがいおうとしていること、返答などが「容易に予想できる」「ありがちなことしかいわない」という特徴があります。ありきたりだったり、よくあるセリフ、やりとりをなぞっているだけだったり、こういったセリフが続くとお客さんは何の刺激も受けなくなり、飽きて、読む・観るのをやめてしまいます。物語においてはお客さんに対して継続的に何らかの「刺激」を与えていかなければならず、セリフにおいても同様です。刺激が無ければ読み続けてもらえません。
 では、どうやって刺激を生み出していけばいいのでしょうか。

    

「意外性」「ギャップ」がセリフを面白くする!

 セリフでお客さんに刺激を与えるには、セリフに「意外性」を持たせ、「お客さんの予想を裏切る」ようにしていきましょう。つまり「ギャップ」が生じるようにセリフを書いていくことにで、その意外性でお客さんに刺激を与えていくことができます。

    

セリフの「2つの意外性」

意外性を出すために大切な要素は次の二つです。

①キャラクターの人物像とギャップのある「セリフの内容」
②キャラクターの人物像とギャップのある「口調・いいかた」

 キャラクターの人物設定・イメージや外見によってお客さんは「そのキャラクターはどんな考え方をしていて、どんなことを、どんなふうにしゃべるのか」というイメージを抱いています。そのイメージを裏切るのです。ギャップを生み出すには、その「いいそうなことやその口調」を、読者が抱くそのキャラクターのイメージと全く違ったものにしていきます。例えば、まじめそうな人がギャグをいったり、やさしそうな人が冷酷な口調でしゃべったりする、といった感じで、そのキャラクターのイメージからは想像もできないようなセリフをいわせていくのです。そうするとお客さんは予想・予測を裏切られ、ギャップが生み出すその「意外性のあるセリフ」に面白さを感じるのです。
 会話において、ありがちな受け答えにならないためには、答えを「ズラしていく」ようにしましょう。こう答えるだろうなという返答と、大きくではないにしても「半分ぐらいズレた」ことをいわせるのです。こうするとキャラクターの個性や独自性を簡単に描いていくことができます。
 また、ギャップは「状況」とのズレを生じさせ、「状況に即していない内容」「状況に合っていない口調」でセリフをいわせることで生み出していくこともできます。
 いろいろなシーンで、意外性のあるセリフ、受け答え、やり取りを描いていくことによって、ギャップが生れ、セリフを豊かな、面白味のあるものにしていくことができます。

     

「ありがちなセリフ」を無くしてみよう!

 セリフを書いていますと「よくある使い古されたセリフ、やりとり」をたびたび書いてしまうことがあります。ある程度はしかたないのかもしれませんが、こういったセリフは物語から新鮮味を失わせ、刺激や面白さを削いでしまう原因にもなります。ですからセリフで面白さを出していくには、そういった使い古されたセリフを「別な言い方」に変えていきましょう。
 内容を変える必要はありませんが、いい方を変えるだけでセリフが輝き出す場合がたくさんあります。
 いい方を変えるときは、キャラクターの人物像(職業や生い立ち、考え方や価値観)・年齢・性別が現れた言い方になっているかを考えて、そういったキャラクターの要素がより出るようにセリフを模索していってみてください。

    

「反対のこと」をいってみる

 ある脚本家のトレーニングで「好き」という言葉を別な言葉でいってみるというトレーニングがあったそうです。好きという想いを相手に伝える言葉はそれこそいろいろなものがありますが、一番その脚本家の方が驚いたのは「大っ嫌い!」という回答だったそうです。大好きな相手なのにケンカか何かすれ違いなのか、驚かせたことへの反応なのか、冗談半分なのか、死んだと思っていた相手が生きていたという安心からなのか、大好きな相手に向けての「大っ嫌い!」は、下手な愛のささやきよりもよっぽど相手が好きだという想いが伝わる言葉なのではないでしょうか。
 また「バカやろう」というセリフも文字通りの意味では無くて、死地を潜り抜けて帰ってきた戦友に対して「バカやろう」といったり、大義を成し遂げた仲間に対して「バカやろう」といった場合などは、下手なねぎらいの言葉なんかよりよほど感情のこもった、親しみが込められた、温かみのあるセリフにしていくことができます。
 このように、あえて「言わんとすることの反対の言葉を使ってみる」ことによって、その言葉をストレートに表現するよりも強くその感情を表現することができます。
 また、この「反対のことをいう」というのは一種の裏切り(ギャップ)になります。大好きというべきシーンで大嫌い! といわれたら驚きますよね。こうすることで、お客さんに刺激を与えることもできるのです。

    

◇意外性のある「会話」を書こう!

     

「会話」についての注意点

 面白い会話シーンを書くには、意外性のあるセリフを使って会話を書いていくようにしましょう。
 さて、ここで会話を書く上での基本的な注意点についてご紹介します。以下のような点に注意しましょう。

○ 誰がしゃべっているか分かるように「口調・しゃべり方に個性や独自性を持たせて、区別」して書き分ける。
○ 相手との「関係性」に応じて会話のやり取りを考える。
○ 「状況」によってセリフのいい方が変わってくる。
○ セリフを聞いた相手の「反応・返答」が、相手の次のセリフに影響する。会話とは反応・リアクションである。
○ 言葉には「本音」と「建前」がある。
○ セリフの下には「意図・目的」がある。

    

「会話」の中に意外性に焦点を当ててみよう

相手のある会話のなかで「ギャップ」を出していくには、次のようなことをやってみましょう。

● お願い・依頼・説得の方法で意外なことをする。
● 情報伝達の方法・その口調などで意外なことをする。
● セリフを聞いて反応するときに意外な反応をさせる。
● 意外な目的を持たせる。(だます・ごまかす・偽る・意図を隠すなど)
● 意見などを対立させる。(返答時に対立させる)

 人物同士の会話を書くときに意外性をもたらすギャップのある発言・受け答えをする場合は、セリフの意図や目的を踏まえながらそのキャラクター年齢や性別、性格や相手との関係性などに応じたアレンジをしていくことで、豊かな、キャラクター性を感じられる、聞いていて面白い、魅力的なギャップを持つ会話をつくることができるのです。

参考:第6章 セリフをつくろう!

■実践編vol.01 いいセリフとは、「短い」「話し言葉」である!

■実践編vol.02 「説明セリフ」を使わないで、お客さんに「説明」しよう!

■実践編vol.03 意外なこと、意外な言い方、「意外性」がセリフを面白くする!

■実践編vol.04 セリフでキャラクターを立てよう!

■実践編vol.05たったひとつでいい、「心に残るセリフ」をつくろう!

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