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2012年8月25日 (土)

■実践編vol.05 たったひとつでいい、「心に残るセリフ」をつくろう!

J0005

◇「心に残るセリフ」って、どんなセリフ?
   

物語の中に「心に残るセリフ」をつくろう!

 優れた物語には往々にして名ゼリフと言われるようなものがあります。具体的には「心を打つセリフ、心に残るセリフ」です。
 そのようなセリフは作品をさらに輝かせ、キャラクターをさらに深めていきます。とくに物語の中の名シーンには、名ゼリフ、心に残るようなセリフ、やりとりがあります。ここではそういった「心に残るセリフ」の作り方を学んでいきたいと思います。

   

◇「心に残るセリフ」のつくりかた

    

どんなセリフが心に残るか

 心に残るセリフ、名ゼリフとなるようなセリフには、以下のような特徴が多く見受けられます。(いくつかのサンプルセリフを参考にしてください)

①正直な気持ちを言ったセリフ
 キャラクターの飾らない本音、正直な気持ちがホロッと口をついて出たときのセリフが心を打つ場合がままあります。
 人間は「相手から一つの感情や思いを受けると、その受けた感情に同調してしまう」という心理があります。全然意識してなかった異性から告白されると、不思議と気になりだすという感じです。この心理の作用が働き、キャラクターが率直に語るとき、お客さんもまた率直に素直な気持ちになってセリフに接してくれます。その結果、お客さんの心が開かれて、セリフがお客さんの心に残りやすくなります。

②成長(変化)を感じさせるセリフ
人間的に変化・成長したときに発するセリフ、変化・成長したことを感じさせるセリフ、以前のそのキャラクターからは想像もつかないようなセリフをいうときに、お客さんは心を打ちやすいです。

③意外なセリフ
やはり意外なことをいうと心に残りやすいです。意外性はセリフでも力を発揮します。心を打つようなセリフは、多かれ少なかれ、この意外性を伴っています。意外性とは予想を裏切ることです。お客さんは予想を裏切られたとき、心に残りやすくなります。

「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
   (アニメ映画『ルパン3世カリオストロの城』)

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
   (小説『 涼宮ハルヒの憂鬱』より) 

「邪なことをすると――死ぬよ」
   (小説『邪魅の雫』より)

④強い気持ちを秘めたセリフ
キャラクターの強い気持ち・思いが秘められた、込められたセリフはお客さんの心を打ちます。迷いのない強い決意、揺るがない信念、何事にも負けない強い思いをセリフに込めてみましょう。

「あなたは死なないわ…。私が守るもの。」
   (TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』)

⑤弱者や普通の一般人(=読者層)を励ます、認めるようなセリフ
 お客さんや、社会的に弱い立場の人にとって励ましとなるような作中のセリフは、心を打つセリフになりやすいです。

「雑草などという草はない」
   (マンガ『覚悟のススメ』より ※元は昭和天皇の言葉です)

「おまえたち、負けたことがあるのがいつか必ず財産になる」
   (マンガ『スラムダンク』より)

「お前が死んでも何も変わらない。 だが、お前が生きて、変わるものもある。」
   (マンガ『最遊記』より)

「いい加減にしろ! おまえにしかできない事があるってもっと自覚しろよ!!!」
   (マンガ『フルーツバスケット』より)

「立って歩け。前へ進め。あんたには立派な足がついてるじゃないか」
   (マンガ『鋼の錬金術師』より)

⑥キャラクターの弱さ・ダメさ・不甲斐なさを感じるセリフ
セリフは、じつはかっこいいセリフよりも「キャラクターの弱さ、ダメさを感じるようなセリフ」のほうが心を打ちやすいです。
 また、自分の弱さを認めるときに人は強くなることができます。弱さを認め、そのうえで前に進もうとするキャラクターのセリフには力強いものが宿ります。

 「・・・アバン先生! 先生の5分の1・・・ いや10分の1でいい・・・!  おれに勇気を与えてくださいっ・・・!!!」
   (マンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険より)

⑦常識的な価値観とは違う、その斜め上を行くような価値観・考え方が表れているセリフ
普通に考えるようなことのちょっと上を行くようなそのキャラクターならではの独自の価値観・考え方をセリフに込めてみましょう。普通はいわないようなこと、いえないようなこと、いえないような人物に対していわせてみましょう。
 また、価値観が変わるとき、新たな価値観をキャラクターが提示するときなども心に残りやすくなります。

「限界はあるものではなく、自分で決めるものでござるよ」
   (マンガ『るろうに剣心』より)

「キミの瞳に、映った僕に乾杯!」
   (アニメ『カウボーイビバップ』)

「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格が無い」
   (小説『プレイバック』より)

⑧「普遍的な価値観・真理」を述べたセリフ
人生においての教え・教訓、正義、普遍的なもの、人の道など人生の真理、多くの人に受け入れられるような優れた価値観を述べさせると心に残るセリフになりやすいです。特にこの手のセリフは主人公を助けたり、導いたりする指導者的な役柄の人物にいわせると効果的です。あるいはギャップを狙って幼い子どもやチャラ男、ヤンキーなど「そんなこといいそうにない人物」にいわせても心に残りやすいです。

「学んだことを思い出せ。それがお前を守ってくれる」
   (映画『スターウォーズ 帝国の逆襲』より)

「…傷つき迷える者たちへ…  敗北とは 傷つき倒れることではありません  そうした時に自分を見失った時のことを言うのです  強く心を持ちなさい  あせらずにもう一度じっくりと自分の使命と力量を考えなおしてみなさい  自分にできることはいくつもない   一人一人が持てる最善の力を尽くす時たとえ状況が絶望の淵でも  必ずや勝利への光明が見えるでしょう…!」
   (マンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険より)

⑨「男らしさ」「男気」「漢」を感じるセリフ
 男性キャラクターのセリフにおいて、お客さんはまっすぐな「男らしさ」を恥ずかしげもなく熱く語ったセリフに心を打たれることが多いです。「男らしさ」は漢らしさ、男気と考えるとわかりやすいと思います。
 男性のお客さんは特に、また女性のお客さんも「男らしさ」「潔さ」「他者のために自己を犠牲にすること」「熱いこと」といったことに対して「憧れ」を抱いています。現実社会では、こういった熱いセリフは心の中で思ってはみても、実際にいうことはできません。保身や立場、損得勘定を考えてしまうからです。だからこそ、お客さんがいいたくてもいえないことを代弁してあげることで、セリフがお客さんの心に残るものとなります。

「オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている  たとえ 生き恥をさらし 万人にさげすまれようとも  己の信ずる道を歩めるならそれでいいじゃないか…」
   (マンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』より)
    
「己の立場を可愛がっている男に真の勝利などないっ!!!」
   (マンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』より)

⑩事前に出てきたセリフと被っているセリフ
 物語の中に出てきたセリフを状況を変えてもう一度言ったり、ちょっと変えたりもじったりしていうと、心に残りやすいです。状況が違うのに、あえてその言葉をいうと、また違って聞こえるのです。

⑪そのキャラクターの特徴や良いところを象徴するようなセリフ
 そのキャラクターの良い部分、特徴などを一言で表現したようなセリフを言わせると心に残りやすいです。いいキャラクターが出来れば、いいことをいってくれるものです。

⑫「たとえ」を使ったセリフ
 人物や状況、事象を何かにうまくたとえたセリフは、とても印象的になり、同時に心に残るセリフとなっていきます。

「ふん。山から鬼が下りて来たぜ」
   (小説『姑獲鳥の夏』より)

     

心に残るセリフはドラマ(問題や主人公の置かれた状況や問題)に絡めていわせよう

 心に残るセリフは物語のストーリーと密接に関わっている場合以外にはありません。通常、物語の中の「ここぞ!」というところで出てきます。ですから、そういった場面でのセリフを「よりよいもの」にしていけば心に残るセリフとなっていきます。状況的にいうと、極限状態ではキャラクターの持つ素の部分が露呈します。そういった場面でいうセリフはそのキャラクターの本当の気持、本当の人間性が表れた純度の高い、心に残るセリフになりやすいです。そういった場面でいいセリフをいわせるようにしていきましょう。

   

《心に残りやすい場面・状況》

 セリフが心に残りやすくなるシチュエーションがいくつか考えられます。以下のようなものです。
    
 ①極限状況、危機的状況
 ②絶望したとき
 ③一度敗れたとき
 ④敵(悪いやつとか、立場が上の相手とか)に「反論」するとき
 ⑤励ますセリフ
 ⑥キャラクターが変わろうとするとき、キャラクターの心が動くとき
 ⑦負け戦に挑もうとするとき
 ⑧勝利した、夢がかなった、問題が解決したとき
 ⑨ラストシーン

 ……などです。

    

「一つだけでいい」ので、心に残るセリフを作中に入れよう!

 一つの物語において、心に残るセリフは一つで十分です。一つでも心に残るセリフが書ければそれは成功です。いくつもいくつも心に残るセリフを書こうとする必要はありません。むしろ、心に残るセリフがたくさんあったら、そのセリフの特異性や特徴が薄まってしまいかねません。無理にたくさん入れようとしないで、たった一つでいいので心に残るようなことをキャラクターにいわせてみましょう。

   

◇心に残るかどうかは、「シチュエーション」と「誰が誰に言うか」が大事!

   

名シーンが名ゼリフを生む! 心に残るセリフは内容よりも「シチュエーション」が大事!

 心に残るセリフを考える際は、セリフの内容の良さもさることながら、それと同じくらいそのセリフをいう状況、シチュエーションが重要になってきます。
 同じセリフでも、シチュエーションによっては聞こえ方がガラリと変わります。何気ないふつうのセリフを言っても、シチェーション次第では心に残るセリフになることがあります。ここでそのセリフをいうか、という「セリフの内容」と「セリフをいうシチュエーション」のギャップが、心に残るセリフになる大きなポイントになります。例として、マンガ『北斗の拳』で最後の戦いの末、主人公ケンシロウに敗れたときの最後の宿敵「ラオウ」セリフを挙げます。

「わが生涯に一片の悔いなし!!」

 戦いに負けたのですから、ふつうは「悔しい」とか「無念だ」とかのセリフをいいそうですが、このセリフです。この一言で「ラオウ」というキャラクターがさらに引き立ち、読者の心に残るものになります。

   

そこに至るまでの「過程」がセリフを心に残るものにする!

 セリフは、そのセリフが発せられている今現在の状況と、そこに至るまでの過去の状況、変化、積み重ねがあって心に残るものになっていきます。ですから「ここぞというとき」がきたら、そのシーンに至るまでの状況をうまく活かしたセリフを考えていきましょう。例として、マンガ『めぞん一刻』のセリフを挙げておきます。前夫を結婚早々に亡くし、未だ前夫のことを忘れることができないヒロイン「音無響子」が、ついに主人公の五代裕作と再婚を決意する状況でのセリフです。

「一日でも私より長生きして。もう一人で生きていけそうにないから」

 前夫を亡くしたつらさ、これまでずっと悲しみ苦しみを背負ってきて、だからこその、このセリフです。これまでのヒロインのすべてが、このセリフに込められています。

   

心に残るセリフは「誰が」「誰に」言うかが大事! 

 心に残るセリフのもう一つのポイントは、そのセリフを「誰がいうか」「誰にいうか」です。セオリーとしては「意外な人物が、意外な人物にいう」ということです。いいそうにないことをイイそうにない奴がいう、いわゆるギャップです。
 わかりやすい例が「かつての敵だったキャラクターが、最も大切なことをいってくれる」という王道の燃える展開です。マンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』で、最大最強最後の敵「大魔王バーン」と戦い、絶体絶命の状況の主人公たちを励ますのが、かつての宿敵だった「魔王ハドラー」です。以下はそのときに「主人公たち(アバンの使徒)」に向けられたセリフです。

「……オレが生命を賭けてまで倒そうとしたアバンの使徒!  それは不屈の魂を持った希望の戦士だっ!  最後の最後まで絶望しない強い心こそがアバンの使徒の最大の武器ではなかったのかっ!!」

 これまで主人公と戦ってきて、その強さの源が何なのかを誰よりも知っていたのは、宿敵である魔王ハドラーでした。そんな彼だからこそいえるセリフです。普通はこのようなセリフは主人公側の仲間の誰かがいうようなセリフですが、それでも十分心に残る素晴らしいセリフですが、このセリフを「一番の宿敵」にいわせることで、そのギャップによりさらに心に残るセリフにすることができます。
 このように、いう人物を変えるだけでもセリフがさらに心に残るものとなるのです。

    

◇言葉の「レトリック」を使おう!

   

心に残るセリフには、知らず知らずに言葉の「レトリック」が使われている!

 この世には無数のうまい言い回しが存在します。そして、セリフの中にも「洒落たセリフだな~」「素敵なセリフだな~」「この言い回しいいな~、好きだな~」と感じるようなものに度々出会います。そういったセリフが心に残っていくことが多いです。
 さて、そんな「うまい言い回し、気の利いた表現」を持ったセリフにはひとつの特徴があります。それは、言葉の「レトリック」が活用されているという点です。

    

◇「レトリック」とは何か?

   

「レトリック」とは言葉を豊かに表現するための技法である!

 「レトリック」という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃると思います。「レトリック」とは一般に「修辞学」と呼ばれていて、意味は「言葉を飾り立てる」というものです。つまり、言葉を魅力的に表現する技法、うまい言い回し、言葉の豊かな表現体系、それが「レトリック」です。
 具体的にどんなものがレトリックなのかといいますと、

 「山のような宿題」
   
 「宿題の山」

    (瀬戸賢一著『日本語のレトリック』 はじめに より引用)

 こんなのがレトリックです。山といっても文字通りの山ではない、宿題の多さを山に「たとえて」表現しているのです。これがレトリックです。なんだ、こんなこといつも使っているじゃないかと思った方、そうなんです。知らず知らず私たちはこの言葉の「レトリック」を使っているのです。
 レトリックに関しての詳しい説明や定義、解説などは専門書に譲りますが、このレトリックという技術は、心に残るセリフを考える上で大きな力となってくれます。

    

◇レトリックの種類

    

レトリックを知って、セリフや創作に活かそう!

 ここでは、代表的なレトリックとその簡単な説明だけを記します。詳しく書いていくと、それだけで一冊の本になってしまうぐらいの分量が必要だからです。(もっとくわしく知りたい方はネットや専門書などで学んでみて下さい。なかなか奥が深い、面白いものですヨ)
 では、レトリックを見ていきましょう。
    
 ※以下の各種レトリックの分類と説明は、瀬戸賢一著『日本語のレトリック』岩波ジュニア新書 を参考にさせていただきました。また例文は、本文ならびに同書200~205ページのレトリック三○早見表からも引用させていただきました。

   

《レトリック一覧》

①隠喩(いんゆ)……類似性を持つ別の似ているものに見立てて、たとえる比喩。

  例)「人生は旅だ」 「彼女は氷の塊だ」

②直喩(ちょくゆ)……「~のようだ」と、何かを別のかけ離れたものに直接たとえる比喩。

  例)「ヤツはスッポンのようだ」 「泥のように眠る」

③擬人法(ぎじんほう)……人間以外のものを人間に見立てて、あたかも人間のように表現する比喩。

  例)「社会が病んでいる」 「母なる大地」 「風が頬をなでる」

④共感覚法(きょうかんかくほう)……触覚・味覚・嗅覚・視覚・聴覚の五感の感覚を、それとは異なる五感の感覚を用いて組み合わせて表現する方法。

  例)「深い味」(視覚+味覚) 

    

「暖かい色」(触覚+視覚) 

    

「明るい声」(視覚+聴覚)

⑤くびき法……一つの表現で、二つの意味と対応させる。 

  例)「服装の乱れは、心の乱れ」 「女房と畳は新しい方がいい」

⑥換喩(かんゆ)……隣接する何かと何かをつなげて意味を合致させて表現するたとえ。

  例)「鍋が煮える」(煮えるのは中身)

    

「電話を取る」(取るのは受話器)

    

「手を貸す」(助けるときは手だけではなく全身を使う) 

    

「筆をとる」(=書き始める) 

    

「漱石を読む」 「モーツァルトを聴く」(~の作品を読む、聴く)

⑦提喩(ていゆ)……その言葉が意味する範囲を広くしたり、限定したりして表現する方法。意味を含む、含まない表現。

  例)「花見」(この花は桜を意味する) 

    

「車の渋滞」(この車は特定の車種ではなく自動車全般を含む)

⑧誇張法(こちょうほう)……事実以上におおげさに表現する。あるいは逆に過小に表現することも含む。

  例)「一日千秋の思い」 「白髪三千丈」 「ノミの心臓」

⑨緩叙法(かんじょほう)……控えめに表現することで、かえって強調する表現法。控えめな言葉を用いるか、「ちょっと」「少し」などを言葉に添える。

  例)「好意を持っています」(=すごく好きです)

    

「ちょっとうれしい」(=とってもうれしい)

⑩曲言法(きょくげんほう)……「伝えたい意味の反対の言葉」を用いて、それを「否定」することで強調する表現法。表現したい意味を二重否定する。

  例)「悪くない」(=とても良い) 

    

「安い買い物ではなかった」(=高い買い物だった)

⑪同語反復法(どうごはんぷくほう)……同じ表現を二回つなげて意味を持たせる表現法。

  例)「殺人は殺人だ」 
    
    「場所が場所だ」 
    
    「売る方も売る方だが、買う方も買う方だ」

⑫撞着法(どうちゃくほう)……正反対の意味の言葉を組み合わせて、意味を持たせる表現法。

  例)「公然の秘密」 
    
    「醜いものの美しさ」 
    
    「無知の知」 
   
    「マジメな冗談」

⑬婉曲法(えんきょくほう)……直接いいにくい言葉を口当たりの良い言葉で表現する方法。

  例)「化粧室」(=便所)

    

「生命保険」(=本当は死亡保険)

    

「ガス」(=おなら)

⑭逆言法(ぎゃくげんほう)……「言わない」といいながら言う表現法。

  例)「言うまでもないことですが」
    
    「お礼の言葉もありません」 
    
    「筆舌に尽くしがたい屈辱」

⑮修辞的疑問法(しゅうじてきぎもんほう)……対話しているような、問いかけているような表現、疑問文を使って表現する。

  例)「誰がこんなことを予想できただろうか」(=誰も予想できなかった)

    

「いまさらおめおめと帰れようか」(=今さら帰れない)

⑯含意法(がんいほう)……直接言うのではなく、別の言葉をいって意味を推測させる表現法。

  例)「袖をぬらす」(=涙を流す) 

    

「少し蒸し暑いねえ」(=窓を開けてほしい)

⑰反復法(はんぷくほう)……同じ表現をくりかえすことで意味の連続、リズム、強調を表現する方法。

  例)「まだまだ」 「きらきら」 「えいや、えいや」

⑱挿入法(そうにゅうほう)……括弧やダッシュを使用して異なる言葉を挿入する表現法。心のなかの本音やツッコミなど、別な視点も表現できる。

  例)「数学の成績が一番といえば、ぼくのことだ(もっともクラスの中での話だが)」

⑲省略法(しょうりゃくほう)……言葉を省略して、簡潔で余韻のある表現を生む方法。

  例)「大会で優勝できたら」(どんなにいいだろうか)

    

「これが一番高い壺です」「これはこれは」(素晴らしい品ですね)

    (お前の命もここで)「終わりだ」

⑳黙説法(もくせつほう)……沈黙することで、意味や感情を伝える表現法。

㉑倒置法(とうちほう)……言葉の語順をひっくり返すことで感情を表したり、ある種の「もったいぶり」、文の後半を推理させて興味をそそらせる表現法。

  例)「すごくおいしいです、〇〇さんの作る料理は」 〈感情〉
    (〇〇さんの作る料理は、すごくおいしいです。)

    

「私じゃダメかしら、……あなたのダンスの相手は」 〈推理、何がダメなのか〉
    (あなたのダンスの相手は、私じゃダメかしら)

    

「憎い、おれの恋人を奪ったあいつが」 〈推理、誰が憎いのか〉
    (おれの恋人を奪ったあいつが、憎い)

㉒対句法(ついくほう)……2つの内容を対照・対比させて、その対比を際立たせる表現法。

  例)「百聞は一見にしかず」
    
    「魚焼いても家焼くな」
    
    「芸術は長く人生は短し」 
   

㉓声喩(せいゆほう)……擬声語と擬態語。音を言葉にして意味を表現する方法。オノマトペ。

  例)「ざわざわ」 「かさかさ」 「しんしん」 「ドカーン」 「バシッ」

㉔漸層法(ぜんそうほう)……次第に盛り上げていってクライマックスを演出する表現法。

  例)「俺の志はあの山よりも、いや富士山よりも、いやエベレストよりも高いのだ!」

㉕逆説法(ぎゃくせつほう)……常識や一般に真実だと思われていることの逆を述べて、大事なことを表現する方法。

  例)「急がば回れ」
    
    「みんな違ってみんないい」 
   
    「ナンバーワンよりオンリーワン」

㉖諷喩(ふうゆ)……たとえの連続からなる文章。一連のストーリーなどでたとえる表現方法。寓話。

  例)「猿も木から落ちる」 イソップ童話やグリム童話など

㉗反語法(はんごほう)……皮肉。相手の言葉を引いて批判する。意味を反転させて皮肉をいう。

  例)「ああ、忙しいなあ」「そりゃあ忙しいよ、あんだけ遊んでれば」

    (散らかった部屋を見て)「いや~、きれいに片付いてるね~」

㉘引喩(いんゆ)……有名な言葉を引用しながら、ちょっと変えることで独自の意味を加える表現法。

㉙パロディー……有名な言葉をふざけて引用する。引用して笑い・ユーモアが生まれるように改変する。

㉚文体模写法(ぶんたいもしゃほう)……他の作家の文体を真似て、あたかもその作家が書いたような文体で自分の文章を書く。

    

 これらの「レトリック」を知り、セリフに活かすことによって「気の利いた、うまいセリフ」を書く手がかりがつかめます。ぜひ活用してみてください。
 また、プロが書いた作品の中のセリフにこのレトリックが使われているかどうか分析して見ることをおすすめします。そうするといいセリフを書く上で、多くのヒントを得ることができると思います。

参考:第6章 セリフをつくろう!

■実践編vol.01 いいセリフとは、「短い」「話し言葉」である!

■実践編vol.02 「説明セリフ」を使わないで、お客さんに「説明」しよう!

■実践編vol.03 意外なこと、意外な言い方、「意外性」がセリフを面白くする!

■実践編vol.04 セリフでキャラクターを立てよう!

■実践編vol.05たったひとつでいい、「心に残るセリフ」をつくろう!

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コメント

まだブログ消さないで下さい!
お願いします

投稿: | 2013年2月20日 (水) 14時59分

大丈夫ですよ。

しばらくは消しません。

ご覧くださって、ありがとうございます。(^∇^)

もったいないお言葉、感謝します。

投稿: 「あなたの物語」製作委員会 | 2013年2月21日 (木) 00時28分

この前、要望させてもらった者です。
心友に聞いたところ、右クリックはどうやらパソだと指摘されました(*_*)
私はガラケーなので閲覧できないみたいです(;_;)
お騒がせしました。
それから、ココログ広場で
このたび2012年11月26日をもちまして、勝手ながら「ココログ広場」の携帯版のサービス提供を終了させていただきました。(ρ°∩°)
今頃気づきました(-o-;)
■実践・応用編vol.05 2012/08/25
から先は掲示してますか?
他に携帯でも閲覧できるブログはないですか?

投稿: お水 | 2013年5月20日 (月) 13時12分

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