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2014年4月24日 (木)

■恋愛編vol.07 物語の面白さの正体「セントラルクエスチョン」

Renaibana007

 

「セントラルクエスチョン」を設定しよう!

 エンタメ系の物語で、作品の面白さに関して最も重要な要素は「キャラクター」です。
 そして、キャラクターの次に重要な要素が、この「セントラルクエスチョン」です。
 セントラルクエスチョンとは、ストーリーにおける中心的な「謎、疑問」のことで、面白い物語には、その真相や理由、結末などを知りたいと思わせるような謎、疑問、展開が必ず用意されています。このセントラルクエスチョンは、推理小説はもちろん、普通のストーリーの作品でも必ず存在します。
 たとえば、人類と巨人たちとの戦いを描いたマンガ『進撃の巨人』では、「巨人とは一体何なのか?」「なぜ、巨人が現れたのか?」という謎が作中を支配しています。読者はその答えを知りたくて作品を読み進めていきます。
 また、マンガ『MONSTER』では、主人公の天才外科医であるDr.テンマが、自分の治療によって、なんと恐ろしい殺人鬼の命を救ってしまいます。そしてテンマは、その殺人鬼の犯した殺人の濡れ衣を着せられ、警察から追われてしまいます。テンマは、警察から逃れながら、自分が命を助けてしまった殺人鬼を追っていきます。「殺人鬼を見つけ出すことができるのか?」「テンマは警察から逃れられるのか、濡れ衣を晴らし無実であることを証明できるのか?」「殺人鬼を見つけたらテンマはどうするのか?」といったセントラルクエスチョンの結末が知りたくて、読者はページをめくっていくのです。
 そう、面白い物語とそうでない物語のいちばん大きな違いは、この「セントラルクエスチョン」があるか無いかなのです。
 そして、ラブストーリーも同じです。ラブストーリーにもセントラルクエスチョンを作ることにより、読者の興味を引きつけていくことができます。
 そのことをTVドラマ『電車男』を例に見ていきましょう。

    

TVドラマ『電車男』に見るラブストーリーのセントラルクエスチョン

 電車の中で酔っ払いに絡まれていたヒロインを助けることによって出会う二人が、恋人として結ばれるまでを描いた全11話のドラマ全体を貫く最も大きなセントラルクエスチョンは、何と言っても「主人公の電車男と、ヒロインのエルメスの恋は成就するのか?」です。この「問い」は、ドラマ第一話で発せられ、その「答え」はドラマ最終話の最後の部分で描かれます。こうすることで、視聴者はセントラルクエスチョンの答え、結果が知りたくて、最後まで物語を観続けてくれます。
 また、一話完結の連続ドラマである本作は、ドラマの各話でもその回の最後まで観てもらうために、一話単位でのセントラルクエスチョンが設けられています。前半、後半、クライマックスに一つずつ、計二~三個のセントラルクエスチョンが設定されています。
 それでは、ドラマ『電車男』で設けられている各話ごとのセントラルクエスチョンを見ていきましょう。

 

第一話

   

前半)何をしてもダメな主人公(電車男)。
    Q「こんなダメ主人公に、出会いがあるのか?」

  

 後半)電車内で酔っ払いに絡まれている女性を助け、住所を聴かれる。
    Q「助けた女性(ヒロイン)から、お礼が届くのか?」
      届いたお礼の荷物の宅配伝票に、ヒロインの携帯番号が記されている。
    Q「主人公は、ヒロインに電話をするのか、しないのか?」

  

第二話 

   

前半)主人公、電話をするも、つながらない。その後も様々な妨害が入り、なかなか話ができない。
    Q「主人公は、無事、電話できるのか?」
      やっと、ヒロインとの電話がつながる。
    Q「主人公は、うまくヒロインを食事に誘えるのか?」

   

後半)二人で食事をすることになったが、見るからにオタクの主人公、バレたら引かれる、フラれる。
    Q「主人公は、オタクを隠せるのか?」

   

第三話

   

前半)主人公、無事にヒロインとの食事を終える。
    Q「一回の食事で終わってしまうのか、交際が続けられるのか」

   

後半)ヒロインの友人と一緒に食事をすることに。行けば、オタクであることがバレる危険性がある。
    Q「それでも食事に行くのかどうか、主人公はどう決断するのか?」

   

第四話

   

前半)
    Q「メアド交換できるのか?」
       主人公の趣味が、やったこともない“サーフィン”だと、誤ってヒロインに伝わってしまった。しかも、一緒に海に行くことに……。
    Q「主人公はどうするのか?」

   

後半)サーフィンの特訓をしたが、とうとうできなかった。今更、誤解だと言えない。ヒロインをだましたことになる。
    Q「主人公はどうするのか? もし、ウソがバレたらどうなるのか?」

   

第五話

   

前半・後半)ヒロインがストーカーの被害に。
    Q「ストーカーは誰なのか?」
    Q「捕まえることができるのか?」

    

第六話

   

前半)主人公、ヒロインの家に招待される。告白のチャンス。
    Q「告白できるのか? 二人の仲は進展するのか?」

   

後半)デートの日と、年二回のコミケ(大規模同人誌即売会)の日が重なってしまう。オタクの主人公にとっては、デートとコミケどちらも非常に大事。
    Q「主人公はどちらをとるのか?」

    

第七話

   

前半)仕事だとウソをついてコミケに行っていたことが、ヒロインにバレて、しかもオタク丸出しの姿を見られてしまう。ヒロインから「もう会いたくない」と言われ、フラれる。
    Q「二人はこのまま終わってしまうのか?」

  

 後半)ヒロインのためにオタクを辞める決意をし、ヒロインを待ち合わせ場所に呼び出す。ヒロインから拒絶されるも、待ち続ける主人公。
    Q「ヒロインは来るのか、来ないのか?」
    Q「ヒロインと和解できるのか?」
    

第八話 

   

前半)ヒロインが来るも、雨の中待っていた主人公、肺炎で倒れ入院する。弱気になる主人公。
    Q「主人公はあきらめてしまうのか?」

   

後半)主人公、正直に自分がオタクであることをヒロインに伝えることを決意する。
    Q「オタクを伝えたら嫌われないか? ヒロインは、主人公がオタクであることを知ってどう反応するのか? 和解できるのか? 二人はどうなるのか?」
    

第九話

   

前半)和解できた主人公、ヒロインの家族と食事をすることに。
    Q「家族との食事を失礼無く、無事終えられるか?」
    Q「主人公はヒロインの親に気に入られることができるのか?」
    

   後半)食事中にヒロインの父が登場し、ヒロインの両親の離婚問題が浮上する。
    Q「エルメスの両親はどうなるのか?」
    Q「そのとき、主人公はどうするのか?」

    

第十話

   

前半)ネットの掲示板で、交際のすべてを公開していたことがヒロインにバレて、ヒロインから本当に拒絶されてしまう。事が事だけに、主人公もすべてをあきらめ、ネット掲示板から姿を消してしまう。
    Q「本当に二人はこのまま終わってしまうのか?」

   

後半)ネットの住人たち、主人公を再起させるため、主人公が掲示板にもどれるよう、様々な行動を開始する。
    Q「主人公にメッセージは届くのか? 主人公は、再びもどってくるのか?」
      ネット住人たちの思いが伝わり、主人公復活する。
      主人公、もう一度ヒロインに会ってほしいことを伝え、待ち合わせ場所で待ち続けることに。
    Q「ヒロインは来るのか?」

    

最終話 

   

前半)ヒロイン、ネットの掲示板と向き合う。
    Q「ヒロインの心は変わるのか?」
    Q「ヒロインは待ち合わせ場所に行くのか?」

      そして、行き違いなどのアクシデントが起こるも、ついに会うことができる二人。

   

後半)和解する二人。ついに告白する主人公。
    Q「二人の恋の結末は?」

   

 このようにセントラルクエスチョンをしっかりと設定していけば、「電話をするか、しないか」「食事に行くかどうか」といった単純なことでも、読者を引きつけ、夢中にさせるプロットを作っていくことができます。セントラルクエスチョンとその作り方に関しては、拙著『シーン書き込み式物語発想ノート』に書いてあります。そちらを参照してください。
 様々な「なぜ」「どうして」「どうなるのか」と読者に思わせる要素を描いて、読者を惹きつけるラブストーリーを作っていきましょう。

   

セントラルクエスチョンをもとにした、ラブストーリーの16の基本パターン

 物語の中にセントラルクエスチョンが含まれていれば、ストーリーを面白くしていくことができます。そのセントラルクエスチョンをもとにしたストーリーの原型、型のようなものがあれば、後は、そこに自分の物語の要素をはめ込んでいけば、面白い、読者を引きつけるラブストーリーを作っていくことができます。そのラブストーリーの基本パターンは以下のとおりです。

 

 パターン①「かわいそうなあの娘は、幸せになれるのか」
 パターン②「大嫌いなあいつと協力して問題を解決する」
 パターン③「モテない男が美女と恋仲になる」
 パターン④「恋人の命と世界の平和、どっちか選べ」
 パターン⑤「恋人は不治の病」
 パターン⑥「どっちの相手とくっつくのか? 誰を選ぶのか?」
 パターン⑦「偽物の恋が、本物の恋になっていく」
 パターン⑧「身分違いの恋、許されない恋、愛し合ってはいけない二人」
 パターン⑨「《三角関係》 友人をとるか、恋人をとるか」
 パターン⑩「恋人の《秘密》 実は相手のためだった」
 パターン⑪「雨降って地固まる、ケンカして仲直り」
 パターン⑫「離れ離れになった二人は再会できるのか?」
 パターン⑬「あの人のことが忘れられない……」
 パターン⑭「一番大切な人は、一番近くにいた」
 パターン⑮「失恋、破局、運命のいたずら、全てを失って……」
 パターン⑯「夫婦、恋人が互いの愛を確認する」

 次の課では、これらのパターンを生み出すラブストーリーの面白さの要となる要素について、まず学んでいきたいと思います。

参考:第7章 ラブストーリーをつくろう!

恋愛編■vol.01 作品を面白くするには、「恋愛要素」を加えよう!

恋愛編■vol.02 ラブストーリーを生み出す「三つのシーン」を作ろう!

恋愛編■vol.03 「出会いのシーン」から、すべてがはじまる!

恋愛編■vol.04 「秘密」を使って、「好きになる瞬間」を作ろう!

恋愛編■vol.05 「告白シーン」では、「好き」と言ってはいけない!?

恋愛編■vol.06 第四のシーン「ドキドキを感じるシーン」を思い浮かべていこう!

恋愛編■vol.07 物語の面白さの正体「セントラルクエスチョン」

恋愛編■vol.08 「恋の障害」を作ろう!

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コメント

Please add more movies related to cooking if you have, because I wish for to learn more and more about all recipes of cooking. bbgcfbdcbade

投稿: Pharmd143 | 2014年4月24日 (木) 23時00分

初めまして。質問です。
携帯サイトのカテゴリー一覧にある第2章が無いのですが、携帯サイトからは見ることは出来ないのでしょうか。
よろしくお願いします。

投稿: 砂時計 | 2014年4月29日 (火) 10時30分

myblogさま、砂時計さま
コメントありがとうございます!

myblogさま、パターンの方は近々UPしていきますので楽しみにしててくださいネ!

砂時計さま、お問い合わせの件なのですが、
じつは以前カテゴリー別の表示をしていたら、なんだか表示がめちゃくちゃになってしまっていまして、原因不明で復旧もできず、泣く泣くカテゴリーの仕分けと、カテゴリー表示をなくしました。(うるうる……)
なんとかちょっと、対策を考えますので、それまではご不便をおかけして申し訳ないのですが、各項目のリンクを通して講座の方にアクセスいただけますよう、お願いいたします。
ホント、すみませんです……。

投稿: 谷口剛司 | 2014年4月29日 (火) 11時41分

分かりました。返信ありがとうございます。

投稿: 砂時計 | 2014年4月29日 (火) 12時20分

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谷口さんの「物語が書きたいッ!」ブログで、ラブストーリーのパターンが整理されています。 ラブストーリーが苦手な私としては、とても興味のある面白い内容でしたので、お薦めさせて頂きます。 アンチから入って物語の展開がしやすそうなのは、 パターン①「かわいそうなあの娘は、幸せになれるか」 パターン②「大嫌いなあいつを好きになる」 パターン⑫「離れ離れになった二人は再会できるのか?」 などでしょうか。 ...... [続きを読む]

受信: 2014年4月24日 (木) 21時58分

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